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あらかじめ描いた事件の構図に沿って自白を迫る。否認しても聞く耳をもたず、客観的な証拠を踏まえずに
立件する。郵便不正事件での検察の捜査はそんな強引なものだった。大阪地裁は昨日、厚生労働省の局長だった
村木厚子被告に無罪を言い渡した。村木被告は、郵便割引制度の適用団体と認める偽の証明書をつくり、不正に
発行したとして起訴されていた。村木被告は大阪地検特捜部に逮捕された当初から容疑を否認し、一貫して無実
を訴えていた。判決は証拠とかけ離れた検察の主張をことごとく退け、「村木被告が偽証明書を作成した事実は
認められない」と指摘した。検察は、ずさんな捜査を深く反省すべきだし、村木被告の復職をさまたげるような
控訴はすべきでない。
偽証明書は、村木被告が障害保健福祉部の企画課長の時、障害者団体として実態がない「凛(りん)の会」に
発行された。企画課長の公印が押されており、村木被告の容疑は、部下だった係長に偽造を指示したというもの
だった。係長は捜査段階で容疑を認めたが、公判では村木被告の指示を否定した。取り調べで係長は、偽造は自分
の判断だと訴えたが、検事は取り合わなかった。参考人だった厚労省職員らも公判で強引な取り調べの実態を証言
した。大阪地裁は係長らの調書を信用せず、証拠として採用しなかった。検察側の立証の柱はもはや失われていた。
特捜部が描いた構図は、「凛の会」会長が民主党の国会議員に口添えを依頼し、厚労省では「議員案件」として
扱われていた、というものだ。だが、議員会館で口添えを頼んだという当日、その議員はゴルフ場にいたことが
公判で明らかになった。特捜部はそんな裏付けすら怠っていた。
検察の捜査をめぐっては、東京地検特捜部が1993年に摘発したゼネコン汚職で、検事が参考人に暴行を加
えて起訴されるという不祥事が起きた。その後も、特捜部に摘発された被告らが「意に反した調書をとられた」と
公判で訴えるケースは少なくない。
>>2以降に続く
ソース:URLリンク(www.asahi.com)