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被差別部落問題などに取り組む長崎市のＮＰＯ法人「長崎人権研究所」が、市内の被差別部落の歴史に
精通した「フィールドワーク指導員」を養成する講座を初めて開く。被差別部落の成り立ちやキリスト教徒
弾圧の背景などを学ぶツアーが好評で、より多くの人に悲しい歴史を知ってもらおうと企画した。同市の
被差別部落は革製品などを扱っていた集落で、１７世紀から市内を転々とし、中国・オランダとの海外貿易や、
キリスト教徒弾圧などとも深いかかわりがある。原爆でも甚大な被害を受け、戦後復興で町名自体がなく
なった歴史もある。
Ａコースは「長崎の部落史を歩く」で、９月１１日、１８日、１０月２日の３回に分けて被差別部落の
移転の跡をたどり集落の生活状況や役割を考える。Ｂコースは「原爆と部落とキリシタン」。来年１月７日と
８日に、キリスト教徒や原爆と被差別部落との関連を学ぶ。いずれも座学だけでなく実際に現地を訪ね歩き、
受講後はツアーを引率できる程度の知識を身に付けるという。同研究所は県内で６コースのフィールドワーク
を実施している。ここ数年、長崎市内のフィールドワークの申し込みが増加傾向にあり、同研究所のスタッフ
だけでは手が足りなくなったため指導員の養成に踏み出した。同研究所は「観光パンフレットなどでは説明
されていない長崎の歴史を学んでもらいたい」と話している。
＝2010/09/04付 西日本新聞朝刊＝
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