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・絵本や妊婦向けの衣類などのカタログが並ぶ待合室を抜けると、小さな診察室に診療台が
ひとつ据えられていた。江北町の大隈レディースクリニックは、この診療台で1カ月に
約20件の中絶手術を行う。副院長の大隈良成医師は「これでも半減した」と、望まない
妊娠をしてしまう女性が絶えない現状を話す。
妊娠の理由を聞くと、ほとんどの患者から「彼がコンドームを着けるのを嫌がる」「相手に
嫌われたくない」という言葉が返ってくる。また、九州内の産婦人科医が、中絶を行った
女性になぜ妊娠したか共同調査したところ、県内では「避妊しない性行為は嫌なのに、
断れない」という傾向が見られたという。
避妊知識の乏しさが原因と感じた大隈医師は、6年前から看護師と一緒に避妊指導を開始。
男性の協力が得られない場合の避妊方法として、避妊リングの装着やピルの服用を
勧めている。リングは子宮内に入れて受精卵の着床を防ぐもので、1回の装着に
約5万円かかるが、5年間は効果が続く。ピルは排卵を止める薬で年間約3万6千円。
どちらも避妊効果は高いが、高額で使用をためらう女性は多い。
大隈医師は「女性は我が身を守る方法を知り、男性は大切な女性のために避妊に
協力しないといけない。そしてすべての医師は、正確な避妊方法や命の大切さを伝えていく
責務がある」と強調する。
県内の人工妊娠中絶率は、1955~75年ごろは全国平均を若干上回る程度だったが、
90年代以降では毎年度、全国ワースト5位以内に入っている。
09年10月、15~50歳未満の総数で中絶率が全国ワースト1位となった08年度の結果が
公表された。総数のほか、世代別の25~29歳、40~44歳、45~49歳でもワースト1位。
中絶イコール若い世代と思われがちだが、若年層に限った問題でないことも裏付けられる
形となった。(>>2-10につづく)
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