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「同時退場」してまだ3カ月足らずの鳩山由紀夫前首相と小沢一郎・前民主党幹事長を約160人の
同党所属国会議員が取り囲み、「気合だ」の掛け声とともに歓声をあげる--。19日、長野県軽井沢町
にある鳩山氏の別荘で開かれた懇親会の光景をテレビ映像で見て、「この時期、一体何をやっているのか」
と違和感を覚えた人は多いのではなかろうか。しかも、党内の一部では9月の党代表選に小沢氏の出馬を
求める声が強まっているという。
勘違いぶりに驚くほかない。
与党の代表選は実質、首相を選ぶ選挙だ。言うまでもなく小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法
違反事件はまだ決着していない。小沢氏が強制的に起訴される可能性がある検察審査会の議決が今秋に
控えている。首相に就任すれば野党は連日、この問題で攻め立てるだろう。果たしてこれまで一度も国会の
場で事件の説明をしていない小沢氏が乗り切れるだろうか。国会は直ちに動かなくなる公算の方が大きい。
民主党は野党時代、自民党の首相が次々代わるたびに「衆院を解散し、総選挙で信を問え」と要求してきた。
わずか1年で鳩山前首相、菅直人首相の2人が交代するとなれば当然、解散するのが筋だが、「小沢首相」
のもとで衆院選に臨む覚悟が民主党議員にあるようにも思えない。
各種の世論調査では「小沢首相」には反対する声が大勢だ。その理由は、「古い体質」を象徴している
ような政治とカネの問題だけではないだろう。小沢氏は菅首相が昨年の衆院選マニフェストを修正しようと
していることを批判しているようだが、そもそも「政権交代すれば、いくらでも財源は出てくる」と財源論
をあいまいにしてきたのは小沢氏と鳩山氏である。民主党政権への失望は、既に「小鳩」体制時代に始まって
いたことを、小沢氏を支持している議員たちはまるで忘れてしまっているようだ。
(>>2-に続く)
▽毎日新聞
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