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【産経抄】8月21日
お懐かしや、というほどではないが、小沢一郎さんの姿を久しぶりに新聞やテレビで見た。
鳩山由紀夫前首相グループの研修会に顔を見せたそうだ。9月の民主党代表選に出馬する意欲を持ち、
党内の空気を探るための出席だったらしい。
▼ちょっと待ってほしい。小沢氏は「政治とカネ」で民主党の人気を凋落(ちょうらく)させた
最大の「戦犯」のはずだ。政治資金規正法違反事件での検察審査会の結論も出ていない。
まさか代表選には出られないだろう。と思うが、そんな「常識」はこの世界には全く通じないらしい。
▼小沢氏の周囲には「待望論」が渦巻いており、代表選は菅直人首相と小沢氏の一騎打ちになる
可能性が強まっている。もっとも菅首相支持派の理由もスッキリはしない。「1年に3人も首相が
代わるのはおかしい」と言うだけで、政策に踏み込んでいないからだ。
▼まるで自民党の派閥抗争のような「怨念(おんねん)の戦い」になりそうな雰囲気だ。
党内にはこれを「赤と黒」の争いだとする冷ややかな目もあるという。仏の作家、
スタンダールの小説の題を拝借したものだが、日本では「赤」は共産主義者や左翼、
「黒」は犯罪容疑者を揶揄(やゆ)することが多い。
▼むろんどっちが「赤」でどっちが「黒」だなどと言えるわけはない。ただ靖国神社参拝も
憲法改正も端(はな)から否定するような菅首相と、未(いま)だに疑惑が晴れない
小沢氏の戦いとなっては、選択は難しい。そのことを皮肉っているのである。
▼代表選はそのまま首相を選ぶ選挙である。国民にとっても、2人だけの対決となっては
不安だ。それなら多彩な「色」を持った人たちが、どしどし立候補すべきだ。国益にそった
政策論争で選ばれてこそ与党の代表である。
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