10/08/21 19:32:19 0
(>>1の続き)
本来、そこには「身分格差の思想」は微塵もないはずである。正社員と非正社員の違いは、あくまでも契約形態の違いである。
しかし残念なことに、会社によっては、正社員と呼ばれる社員の中に、非正社員に対する身分意識を持ち込む人がいる。
あるいは、組織自体がそのような意識で非正社員を捉えている会社も、まだある
(本来「正」社員という言葉自体がこうした歪んだ身分意識をもたらす原因の1つと考えられるため、より適切な言葉が必要なのだが)。
たとえば、派遣社員や契約社員の採用管理を、人事部ではなく「購買部」と呼ばれるような組織が担当している会社に出合ったことがある。
説明を受けたときに違和感を覚えたものだが、この場合、会社が非正社員に対して資源ではなく「コスト」という意識を持っていることを象徴しているように感じる。
あるいは、派遣社員と正社員との関係性がうまくいっていない会社でインタビューを行った際、派遣社員の方々が、次のような説明をしてくれた会社もある。
「私たち派遣社員には、名刺がないのです。外部の方とお会いする機会がある仕事に就いている人も同じで、
同席する正社員の方は名刺を差し出すのですが、私たちは差し出すものがないのです」
その会社で働く派遣社員の方々が、職場の現況について語った次のようなことが、今なお記憶に焼き付いている。
「私たち派遣社員を正社員の人たちが名前で呼ぶ習慣が、この職場にはないのです。常に『派遣さん』と呼ばれます。」
会社側の意識が、そこで働く社員の意識にも少なからず影響を及ぼすことを、この例は示している。
仕事をやらせて手柄だけ自分のものに!「正社員」の立場を使ったフリーライダー
この新たな身分格差は、「意図」をもったフリーライダー正社員にとっては、極めて好都合である。
なぜならば、仕事は彼らが「格下」と考える非正社員にふればいいのであって、自分たちはそれで楽ができるからである。
これを、「正社員という立場を使ったフリーライダー」と我々は呼んでいる。会社から成果を求められても、そのノルマは非正社員にふる。
自分たちは管理者という立場に身をおいて、指示命令、そして成果管理に徹する。
会社からの成果要求が厳しくなっても、その分だけ非正社員のノルマが積み増しになるだけである。
続く