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独占インタビュー ノーベル賞経済学者 P・クルーグマン 「間違いだらけの日本経済考え方がダメ」
―マクロ経済学的には打つ手はもはやないと?
クルーグマン いや、まだまだあります。実は、日本の不況の原因は、
マクロ経済学がやるべきだと説いていることを実行しないことにあるのです。
まず必要なのは、経済を回復軌道に乗せうる、大型の財政刺激策です。
これはアメリカではまだ行われていないし、日本でもまだまだです。1990年代を通して、少しずつやったに過ぎません。
また金融政策面では、日銀自体にやる気がないので大変難しいことですが、インフレ・ターゲット政策を採用させる必要がある。
本当に人々が今後、年間1・5%でなく、4%の物価上昇率になると信じれば、
景気回復に向かう可能性が大きいからです。4%はほぼ市場の期待値でもあります。
(略)
―今回の参院選で躍進した「みんなの党」の渡辺喜美代表は、2%のインフレ・ターゲットを掲げるとともに、
これを達成できない時は日銀総裁の解任を国会で検討してはどうかと言っていますが、どう思いますか。
クルーグマン 我々は中央銀行の独立性をずいぶん擁護してきました。
しかし今や、この独立した中央銀行が、失敗による面目失墜を恐れるあまり、
自国経済のためになることすら、やらない存在となっていることが不況の大きな原因なのです。
それは日銀だけではなく、FRBも同様です。国を問わず、根本的には組織に問題がある。
自分の仕事、その本分を果たすのではなく、自分の組織上の地位や組織そのものを守ろうとしている。
中央銀行の独立性への介入に関しては、もはやあれこれ躊躇すべきではありません。
日本のGDPデフレーター(名目GDPを実質GDPで割った値。経済全体の物価動向を示す)は、ここ13年間、下がりっ放しです。
それなのに今、日銀が重い腰をあげないというなら、(その責任者たる総裁は)銃殺に処すべきです。
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