10/08/18 20:06:27 +FpxpG9y0
林原はデビューからたった一年くらいで多くの役を演じていた。
当時も今も声優を目指す人は声優学校一筋に予習復習を含めて学習する人が殆どである。
声優の世界は声優一筋にやっても成り上がるのは難しいといわれている世界なので、
看護学校にも通っておきながら、デビューしてすぐに大役を次々にこなす林原が
一部の人に特別視されるのは、仕方ないと言えた。
また、声優というのは身分が安定しにくい職業なので、
他人から看護婦の資格が「逃げ道」に見えたとしても何の不思議もなかった。
もちろん、林原には自分なりの考えがあった。
看護学校の学生はあまり暇ではない。
病院実習などもあり、そこいらの文系学部よりはよほど忙しいといえる。
はっきり言って、看護学校に通いながら声優学校に通って、
声優として大成するのはとても困難だったと思われる。
また、「逃げ道」批判はあまり正確ではない。看護婦よりも楽な逃げ道の職業はほかにも多くあるからだ。
本人は、まわりの目も十分承知していた。
が、林原は、もともと黙って言いなりになるような性格をしていなかった。