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・小渕内閣で官房長官を務めた野中広務氏の「官房機密費」問題が注目を浴びている。
当時の官房機密費の取り扱いについて、野中氏は「毎月5000万円~7000万円くらいは
使っていた」と暴露。さらに評論家らにも配っていたが、那覇市内で行われたフォーラムで
「持って行って断られたのは、田原総一朗さん1人」と述べた。
野中氏の発言は一斉に報じられるものの、その後、この問題を追及する主要メディアは
ほとんどなかった。なぜ新聞やテレビは、官房機密費問題を取り上げようとしないのか。
Business Media 誠ではジャーナリストの上杉隆氏、作家・経済ジャーナリストの相場英雄氏、
ノンフィクションライターの窪田順生氏を招き、官房機密費やメディアに関する問題を徹底的に
語り合ってもらった。
相場:主要メディアで官房機密費問題を追及しているところはほとんどないのですが、一般の人にはかなり浸透
してきたのではないでしょうか。
窪田:浸透してきましたね。これまで多くの人は、新聞記者やテレビ報道に携わる人のことを「中立な人だ」「正義の象徴だ」と
勘違いしていましたが。
相場:確かに。大いなる誤解はあったでしょうね。
窪田:官房機密費の問題では、政治家が政治評論家や主要メディアの解説委員クラスに「お金を渡したのでは
ないか?」という疑いが出ています。しかしヒラの記者にも、政治家は“お年玉”と称して、お金を配っていました。
そんなに大きな額ではありませんが、年末や正月にお金を受け取った記者は多いはず。
記者が政治家のために好意的な記事を書けば、当然「ありがとうな」ということになる。そして政治家から
メシをおごってもらったりする。それだけならまだしも、やがてエスカレートし、正月にお年玉をもらったり
するのかもしれない。
上杉:官房機密費は、政治の問題だけじゃないんですよ。メディアの問題。そもそも官房機密費
というのはあって当然だと思う。使い道をオープンにすれば、いろいろな面で「抑止力」に
なるわけですし。問題は、ジャーナリストがお金をもらったということ。しかもお金の出所は税金なのに。
(>>2-10につづく)
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