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●「少年グリフィン」C・W・ニコル氏(小学館 1600円)
環境保護活動家として知られる著者の初の自伝小説である。
自然豊かなイギリスの片田舎で動植物に親しむほのぼのとした日々を描く一方、
今回初めて明かすという、著者のイジメにまつわる“犯罪”をもつづった話題作だ。
「この物語の9割は私の体験に基づいたものです。実は最初、自然の中で育った楽しい話しか書いていなかったんです。
しかし、私の半生を語るうえでイジメられた話は避けて通れない。イジメられたことは70歳になった今でも
心の傷になっており、記憶を呼び起こすことはつらい作業でしたが、
自殺の多い日本の若者に生きろ、と伝えたくて書くことにしたんです」
舞台は第2次世界大戦から7年経ったイギリスの田園地方。12歳の少年グリフィンは、カワウソの親子をそっと観察したり、
カラスのひなを育てるなど自然の中で日々の生活を満喫していたが、学校へ向かう足だけは重かった。
上級生にイジメっ子の集団がいたからだ。標的になるのは、力のない下級生。
グリフィンも度々イジメに遭い、ついにはペニスにたばこの火を押し付けられるという屈辱を味わう。
「実際のイジメはもっとひどく、少年による少年への強姦もあったんです。被害者は多数いましたが、
当時の男子校の文化では告げ口=臆病と考えられていたため、私は誰にも助けを求められなかったんです。
だけど死のうとは思わなかった。ただその代わり、相手を刺したんです」
著者は、そのときの感触を今でもよく覚えているという。
「相手の腹の右側を真っすぐ刺したんですが、すごく軟らかく、そして簡単に入りました。
もちろん警察沙汰になりましたよ。けれどそれがキッカケでようやくイジメが明らかになった。
学校が移転するほどの大事件でしたが、私はおとがめナシでした」
人を刺すほど精神的に追い詰められながらも、学校の外では快活でいられたのはなぜなのか。
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