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仙谷由人官房長官(64)が永田町で隠然たる地位を確立しつつある。いまだに参院選大敗のショックを引きずる
菅直人首相(63)に代わり、事実上、政権運営の基軸となっているのだ。小沢一郎前幹事長(68)と距離を置く
「民主党七奉行」の1人で、中堅若手の後見人的立場を取ってきた仙谷氏の野望。
首相の女房役を超えて、闇将軍として君臨するつもりなのか。
「衆院選を早めることも、事と次第によってはあるかもしれない」仙谷氏は今月中旬、BS番組の収録でこう語った。
衆院解散は首相の専権事項であり、官房長官が時期について発言するのは越権行為。
だが、それを平然と言い切り、誰も批判しないあたりに、仙谷氏の現在の立場がよく分かる。
大物官房長官といえば、中曽根内閣の後藤田正晴氏をはじめ、橋本内閣の梶山静六氏、
小渕内閣の野中広務氏らがいた。永田町と霞が関ににらみを利かせ、政策調整を行うだけでなく、
政権運営でも腕力を発揮してきた。まさに、「影の宰相」「闇将軍」といった称号が似合う。
「何で、ここまで放置したんだ!」仙谷氏は6月の就任直後、宮崎県の口蹄疫問題を担当する内閣官房の官僚を怒鳴り上げた。
感染の疑いがある牛や豚の処理が進まないことに、「県側が言うことを聞かない」などと言い訳したため、ブチ切れたのだ。
それ以後、霞が関には「仙谷長官を怒らせたらヤバイ」という噂が広がり、さまざまな情報が集まってきた。
「平野博文前官房長官(61)に比べて、仕事量は3倍以上。官僚や政治家、来客が15分単位で訪れるため、
待合室はいつもいっぱい。早朝から夜遅くまで猛烈に働いている。目白の自宅マンションに帰るのは、いつも深夜だ」(官邸筋)
仙谷氏は、政治の根幹といえる予算編成もほぼ手中に収めた。
先日、予算編成などの司令塔として政権交代後に発足した「国家戦略室」の役割縮小が決まったが、
来年度政府予算案の編成や税制改正の基本方針づくりは、仙谷氏が仕切る内閣官房に置く新組織が担当するというのだ。
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