11/11/21 08:14:18.27
ソース（JBPRESS、英エコノミスト誌 2011年11月12日号）
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諸外国にとって、韓国経済の大躍進は成功のひな型だ。しかし、先進諸国にほぼ追いついた今、韓国はアプローチを変える必要
がある。
韓国の首都ソウルのさわやかな秋の朝。世界が幸せそうに動き出す中で、希望に満ちた釣り人が夢見るように清渓川
（チョンゲチョン）沿いに座っている。
彼の背後には、新しい金融街が入居するガラス張りの高層ビルがそびえている。高層ビルの地階店舗はアジアで最もしゃれた
場所の1つだ。オフィスワーカーや家族連れ、学童が通り過ぎていく。大道芸人がそこかしこにいる。川はプラムの木や柳をかすめて
流れていく。
20年前ならば、この光景そのものが、清渓川で釣りをしようとするほど愚かな人が見る夢だと思われただろう。当時、清渓川の水
は汚く、ひどい騒音の高速道路の下に閉じ込められていた。川の周辺は労働搾取工場や鍛冶屋が集まる貧しいスラムだった。
世界有数の都市再生計画に数えられる清渓川の再生には、夢がかなえられたような雰囲気が漂う。そして、清渓川が流れる
韓国も、かなりの程度まで夢を達成した感がある。
■韓国の奇跡
1960年当時、悲惨な戦争の余波で疲弊した韓国は世界で最も貧しい国の1つで、1人当たりの所得はアフリカの最貧地域と
並んでいた。2011年末には、購買力平価（PPP）ベースで計算した韓国の1人当たり国内総生産（GDP）は3万1750ドルに達し、
欧州連合（EU）の平均3万1550ドルを上回る見込みだ。
韓国はこれまでのところ、一世代が現役のうちに大量の開発援助の受け手から豊かな国に転じた唯一の国だ。
大半の貧困国にとって韓国は成長のモデルだ。真似るには巨大すぎる中国よりも良い手本であり、台湾、シンガポール、香港
よりも良いモデルだ。台湾など3カ国・地域はすべて韓国より裕福だが、それぞれ異なる点で例外的な存在だからだ。シンガポールと
香港は都市国家だし、台湾は主権が論争となる点で独特だ。
韓国は単に成長が速かっただけではない。経済成長と民主主義を同時に実現した。躍進が始まったのは朴正煕(パク・チョンヒ）氏
の軍事独裁政権下だったが、過去25年間は活力のある議会制度があった。ワシントンのシンクタンク、フリーダムハウスによる民主化
指標で韓国は日本と同等と評価されている。これと並ぶアジアの国はほかにない。
また、韓国は成長と公平性も同時に実現した。韓国のジニ係数（所得格差を測る指標）は1980年から1997年にかけて、0.33から
異常に低い0.28まで下がった。1997～98年のアジア危機時に再び上昇たものの、2010年のジニ係数は0.31で、北欧諸国よりも
少し高く、カナダよりも少し低い。
■奏功したモデル
（中略）
韓国が米国の生活水準に近付いていく歩みは、ほぼ一本調子で続いてきた（図1参照）。
図1 URLﾘﾝｸ(jbpress.ismedia.jp)
中国が韓国が既に達成した水準に達するためには、中国のドル建ての1人当たりGDPが今後20年間にわたって年率7.5～9％
成長する必要がある。
韓国経済が年率4.5％の成長を続ける一方、米国の伸び率が2.5％であれば、韓国は数年後には（PPPベースで）米国に
追い付くだろう。
しかし韓国がそれほど見事な成長を続けるためには、新しい戦術が必要となる。それも一から築き上げなくてはならない。
国や企業が先行している相手に追いつこうとしている時は、他者がやっていることを見て、もっと上手に立ちまわることができる。
この点、韓国はうまくやった。現代自動車は、信頼性が高く、低燃費で価格が安い自動車の市場でトヨタ自動車を打ち負かした。
韓国の造船所は規模の経済によって、すべてのライバルを打ち負かした。
（>>2以降に続きます）