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◆タイ洪水、2012年初頭のPC出荷に影響を与える恐れ
タイの広範囲で発生している洪水は、タイ全土の77県のうち63県におよび、
500人を超える死者を出している。
経済的見地から見れば、この洪水はハードディスクドライブ（HDD）の
品不足を引き起こしつつあり、International Data Corp(IDC)による最新の調査は、
2012年前半のPC出荷に深刻な影響を与えうると警告している。
IDCによれば2011年前半のHDD生産で、タイの工場は世界の40～45％を担っていた。
だが現在、タイのHDD生産拠点は洪水による直接の被害だけでなく、
交通アクセスの寸断や停電の影響もあって操業停止状態に追い込まれているという。
洪水は現在も収束しておらず、被害の全貌が判明するにはまだ時間がかかる。
だが IDCは、洪水が2012 年初頭のPC出荷に影響を与えるのは確実だという。
この洪水による影響を最も受けているのは Western Digital（WD）。
2011年の第2四半期、WDは5,400万台のハードドライブを
タイとマレーシアの工場から出荷したが、うち60％はタイの工場で生産されたものだった。
WDは、洪水のため10月のタイ工場の操業を停止したとしている。
先月のカンファレンスコールで、WDの社長兼CEOであるJeff Coyone 氏は投資家に対し、
タイの同社社員は全員無事であるが、災害からの復旧には時間がかかると述べた。
大手PCベンダーは企業のサーバーやストレージで使用される利幅の大きな製品に対して
高い優先順位を与え、HDDの品不足に対応している。
だが、HDDベンダーは中小の顧客を無視するわけにはいかない。
設備復旧後は、中小のパートナーも引き続き重要であるからだ。
IDC副社長の Loren Loverde 氏は次のように語る。
「HDDの品不足は、中小のPCベンダーや、ネットブックやエントリーレベルの製品を含む
低価格帯の製品に対して影響を与えるだろう。大手のPCベンダーであっても、
HDD不足の影響からは逃れられない。だが、短期的には、品不足により価格や
利幅を下げるプレッシャーからは逃れることができ、特に大手ベンダーの中には
シェアを増加させるところがあるかもしれない」
IDCによれば、2011年第4四半期に与える影響は非常に限定的（10％以下）であるとのこと。
これは、同期に販売するPCについては、従来の在庫を利用して生産が完了しているため。
だが、2012年第1四半期のPC出荷台数は、最悪の場合20％以上減少する可能性がある
としている。
インターネットコム 2011年11月15日17時00分
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