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∞違法操業:中国人船員の遺体、11カ月にわたり放置 安置費用5000万ウォン
昨年12月、西海(黄海)で違法操業を取り締まっていた海洋警察の警備艇にぶつかり沈没した中国
漁船「遼営号」の李永濤船長(当時29歳)の遺体は、韓中両国政府が放置したため、事件から1年近
くもの間、全羅北道群山市の葬祭場に安置されたままになっている。この葬祭場の代表キム・チャン
ムンさん(49)は「安置室からひどい死臭が漏れてくるため、葬祭場の運営にも支障をきたしている。
安置費用も5000万ウォン(約348万円)に上り、群山市と海洋警察を通じて政府に遺体の引き取りを
要請したが、返答がないと話した。
李船長の遺体の引き渡しをめぐる問題は、事件発生直後から韓中両国にとって難題となっていた。
韓国政府は、遼営号が海洋警察の正当な任務を妨害しようと、故意に警備艇にぶつかってきたこと
から、船主や遺族が遺体を引き取るべきだ、という方針を示していた。韓国側が費用を負担し、遺体を
引き渡すことになった場合、中国側が「過剰な取り締まりだった」と主張し、責任を韓国側になすり
つけることが懸念されたためだ。
ところが、中国の船主や遺族は、経済的な理由を挙げ、遺体の引き取りができないと主張した。中
国政府も、費用を負担して遺体を引き取った場合、違法操業を認めたと解釈されることから、引き取
りを拒否している。遺体の管理は今年1月、国際法に従い、光州にある中国総領事館に移管されたが、
同館は本国の方針の決定を待ち、遺体の引き取りを先延ばしにした。李船長の遺体が安置された直後、
葬祭場には殯(ひん)所(出棺まで棺を安置する場所)が設けられ、中国の領事が出向き、弔花も供
えられた。違法操業の取り締まりを行っていた韓国の海洋警察に向かって鈍器を振り回し逮捕された
中国人船員3人も、5日間にわたって殯所を見守った。ところが、中国人船員らが昨年末に送還された
後、中国総領事館は葬祭場に対して何ら措置を講じず、連絡もしなかった、とキム・チャンムンさん
は話した。葬祭費用やこれまでにかかった安置費用は5000万ウォンに達する。放置が長期化するに
つれ、遺体の腐敗も急速に進行した。
群山市はこの問題を解決するため、条例の制定を検討し、社会福祉共同募金会とも協議を行ったが、
妙案は見つからなかった。同会による葬儀の支援は韓国国民のみを対象としているからだ。なお、韓
国の法律では、引き取り手のない遺体についてのみ、火葬したり、医学研究用に寄贈したりすること
を認めている。
韓国政府の基本的な方針に変わりはないが、中国側との交渉については最近積極的な姿勢を見せて
いる。外交通商部(省に相当)の担当者は「両国政府とも、これ以上放置できない懸案と認識しており、
さまざまなルートを通じて合意に向け取り組んでいる」と話した。
遼営号は昨年12月18日、於青島(群山市オクト面)の北西67カイリの会場で、違法操業の漁船を追
跡していた韓国の警備艇の船首に衝突し沈没した。海洋警察は李船長を含む乗組員4人を救助したが、
李船長はすでに意識不明の状態で、その後死亡した。
またこの過程では、別の漁船を取り締まっていた海洋警察官4人も、遼営号の乗組員らに鈍器で殴
られ重傷を負った。海洋警察は、李船長を除く3人の中国人船員に対し、特殊公務執行妨害容疑で取
り調べを行ったが、取り締まりの妨害に際し主導的な役割を担った李船長が死亡したことを考慮し、
同月25日に3人を中国に送還した。
群山= 金昌坤(キム・チャンゴン)記者
ソース:朝鮮日報日本語版 2011/11/09 10:21
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