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韓国当局は、南北統一に向けた準備を始めている。統一に至る期間を20年以下とした場合、かかる費用は少なくとも500億
ドルだ。そのために、社会支援基金が作られようとしている。
基金は、外国人も含めた個人の寄付や税収によりまかなわれる。このイニシアチブはイ・ミョンバク大統領も支持し、そのための
「統一税」を導入してはどうかと提案した。ドイツの例に倣ってだ。
しかし、朝鮮半島とドイツとでは状況が違いすぎる。ドイツの統一モデルは、ここでは当てはまらない。 旧ドイツ民主共和国、
東ドイツはベルリンの壁を取り去ることを欲し、旧ドイツ連邦共和国、西ドイツは、それを助けたわけだが、朝鮮半島の状況は
そうではない。
東アジア問題の専門家、ゲオルギイ・トロラヤ氏に意見を聞いた―
「朝鮮半島では、北も南も一つになるつもりはない。どちらも統一には同意せず、一方の側を自分のものにしたいと思っている。
現在の対立した条件下では、統一について話すには至らない。」
しかし韓国政府は、どんな犠牲を払っても、統一は実現されるべきだと考えているようだ。 一方、北朝鮮は「北を飲み込もうと
する試みは、宣戦布告と同様だ」と警告した。韓国政府は、昨年、ヨンピョンド島で起きた事件をまだよく覚えている。当時北朝鮮は、
韓国領のこの島に砲撃を加えた。 この点を指摘して、トロラヤ氏は、さらに次のように述べた―
「基金作りそのものは、よい事だ。南北間の経済協力はまさに、両国を真に接近させ、繁栄と民族和解に導くことができるものだ。
しかし、おそらくそれゆえに統一を期待するには及ばない。そうした資金があるのであれば、ロシアが参加するエネルギーや交通輸送
プロジェクトに回すこともできる。」
もしたとえ、地政学的に南北朝鮮の平和的統一が許されたとしても、韓国は、かつての西ドイツのように資金は十分ではない。
また南北の経済格差は、ベルリンの壁崩壊前の東西ドイツとは比べものにならないほど大きい。 韓国が、南北格差を埋めるには、
現在のこの国の金外貨準備高の15倍に相応する資金が必要だと言われている。 つまり、南北が統一すると、世界市場は
必然的にショックに襲われるという事だ。
それ以外に、職を失った大量の北朝鮮の特権階級をどうするかという問題がある。一部は難民化し、あるものは闇の世界に
活動の場を見つけ、中にはテロに関わる者も出るかもしてない。そうしたシナリオを誰も望んでいないのは明らかだ。
さらに、南北が統一されれば、領土内に巨大な米軍基地のある国が、中国及びロシアにとって陸続きの隣国となってしまう。
このような軍事面でのパワーバランスの変化は、東アジア全体の政治状況に深刻な修正をもたらすに違いない。
また米国の専門家達が警告しているように、南北が統一された場合、北朝鮮の核が、韓国の高い工業力やハイテク技術と
結びついて、かなり予測不可能な、それでいて強力なモンスターに変身する恐れがある。 怪物化した朝鮮は、日本におそらく
挑戦状を突きつけるだろう。そして中国も、アジアの政治舞台に、そうした強力なプレーヤが新たに登場することを望んではいない。
ソース(The Voice of Russia) URLリンク(japanese.ruvr.ru)
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※記者注…「ロシアの声」は、ロシアの国営ラジオ局です