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昨年朝鮮戦争勃発60周年を迎えた韓国は軍創建60年を経てハイテク装備を国産できるまでに防衛産業を成長させた。
今日、韓国防衛産業は単に防衛力強化への寄与にとどまらず、韓国経済の国際競争力強化や韓国産業の技術革新にも
役立つ重要な分野であると位置づけられるまでに至った。
(中略)
■韓国防衛産業急成長の背景
韓国防衛産業が急成長できた要因を要約すれば以下の通りとなる。第1に、国家主導で防衛産業育成が行われた。
国産主要装備品は民間企業で生産されてきたが、国家プロジェクトの下、国の手厚い支援を得て育成されてきた。
第2に、将来装備の研究開発は国防部主導で進められてきた。前述の国防科学研究所は全国に研究施設を展開し、
潤沢な研究開発費が充当されている。こうした軍事技術はスピンオフにより韓国産業の技術発展にも大いに貢献していることを
国防部は強調している。
第3に、韓国の積極的な武器輸出活動である。そもそも韓国には武器輸出に関する制約がない。共産圏国家への輸出規制等
の制約はあるものの、国家事業として武器輸出に力を注いでいる。
防衛産業界はもとより、国防部関係者や外務部関係者が一体となって売り込みに努力している。緊要な時期には大統領自ら
訪問先で売り込みにあたる。
中近東、アジア諸国では欧米の高騰したハイテク装備よりも、安価でアジア人の体形に適した装備品に関心が高い。韓国製の
武器が手頃で実用的なことも輸出に大きな要因となっている。
こうした韓国の防衛産業の発達や輸出増大の傾向には、韓国の経済急成長と技術進展および研究開発の急成長、並びに
国家の強力なテコ入れがその背景にあり、今日の韓国防衛産業が発展できたことは言うまでもない。この防衛産業の進展は
韓国経済の発展に相応し今後も続くと思われる。
■対照的な日韓の研究開発と防衛産業
写真=韓国のイージス艦「世宗大王」〔AFPBB News〕
URLリンク(img3.afpbb.com)
以上のような防衛産業の実情を日韓で比較すると、次のような対照的な差異があると言える。
第1に、日本の防衛装備研究開発への少ない予算配分である。毎年防衛関係費の伸び率がマイナスとなっている日本の現状
では、装備研究開発の予算が潤沢に確保できないのはやむを得ないが、急成長を続ける韓国とは対照的である。
日本の研究開発費(約1588億円:2010年、防衛白書より)は防衛予算の概ね3%程度であり、(ちみに韓国は平均5%、
欧米では国防費の10%前後を充当)軍事技術が革新的に進歩している時代にあって、将来に禍根は残さないようにしなければ
ならない。
第2に、研究開発の体制である。少ない研究開発費にも関連するが、民間企業依存の研究開発では核心的な技術の研究が
必ずしも生かされない場合がある。
また競争入札制度偏重は企業の研究開発意欲や技術者育成にも支障を来す。結局は装備品価格の高騰を招くことに
なりかねない。武器に関する日本人の特別な感情は是としても、隊員の身を守る武器の研究開発は国家として責任がある。
第3に、日本が自ら課している研究開発や武器輸出に関する各種の自己規制である。諸外国でも武器輸出に関しては慎重に
取り扱っているが、日本ほど自己規制が多い国は少ないであろう。
今や国際共同開発は世界の趨勢である。単独開発では経済的にも技術的にも限界がある。共同開発国に名を連ねなければ
新装備も入手できない事態に陥りかねない。
「宇宙基本法」により衛星の防衛目的使用が可能となり、武器輸出三原則の見直し検討が逐次進められているが、各種の
制約が多い日本の研究開発体制や開発要領等の見直しが必要である。
(中略)
防衛技術の発展と維持は平時における第一線の仕事である。厳しい財政事情ではあるが、ソロバン勘定だけで安易な方向に
流れれば禍根を残すことになる。
ソース(JBPRESS、廣瀬 清一氏) URLリンク(jbpress.ismedia.jp)