11/10/21 16:50:20.08
他人に批判されると、反論もできずに、顔を赤くしている人がしばしばいます。最近、銀行、
証券、保険など金融業界で役員を務める人に年収、手数料、配当といった話を持ち掛けると、
似たような反応が返ってきます。一度かっとなっても、世論の批判を意識してすぐに口をつぐ
んでしまうのです。
米国のウォール街で金融業界の貪欲さを批判するデモが広がり、韓国でも同様の批判がメディア
や市民団体から出ています。金融機関の賃金、手数料、配当が高すぎるとして、俗称「貪欲の
三点セット」として批判の的になっているのです。
金融業界は、高賃金については、改善の余地があるとしてうなずく雰囲気です。リテール(個人
向け)金融を専門とする銀行の報酬は、毎年数千億ウォン(数百万円)ものボーナスを受け取
るウォール街の投資銀行とは比べ物になりません。それでも他業種に比べれば、銀行の行員の
年収は高い方です。それなのに、韓国の銀行の生産性は低いとの指摘には、銀行業界も同意し
ています。
しかし、「銀行の手数料がとんでもなく高い」「一般企業よりも高い配当で株主を太らせている」
という批判には、金融業界は沈黙して、何も語ろうとしません。
顧客の立場では、完璧な電算ネットワークを持つ銀行が、他行に振り込みを行う際、1件当たり
1000‐4000ウォン(約70‐270円)の手数料を受け取るのは法外だと感じるかもしれません。
しかし、バンク・オブ・アメリカは、銀行口座の維持手数料だけで毎月5700ウォン(約380円)
が掛かります。HSBCでは窓口で送金をする場合、1件当たり3万6000ウォン(約2410円)の手数料
を取られます。そうした事実を知る人は少ないのが現状です。その上、一部の外資系銀行を除
けば、韓国の銀行による過去4年間の配当はまさに「すずめの涙」です。
金融業界はそうした事実を正しく知ってもらったり、世論の行き過ぎた批判に対し、説明を行
ったりすることができずにいます。ある金融持ち株会社の役員は「説明を弁明と批判する今の
雰囲気では、ただ『間違っていた』と黙っている方がましだ」と話していました。健全な議論
を欠く頭ごなしの金融業界批判は、金融業界自らが反省し、改革を進める機会まで奪いかねず、
心配になります。
キム・テグン記者
朝鮮日報 2011/10/21
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