11/10/20 15:24:18.95 SJK/gU1O
私は2000年に、アジア9カ国と欧州9カ国で国際的なアンケート調査を行い、(1)自分が特定の国、
例えばフランス、アメリカ、日本といった国に属していると感じているかどうか、また(2)自分たちが
他の国の人たちも含んだより大きなグループ、例えばヨーロッパ、アジア、中国、イスラムといった
グループに属していると感じているかどうかを質問した。
その結果、上記の(1)の点に関して、日本人の答えは、3分の2しか日本への帰属意識がなく、3分
の1は「どうでもいい」、あるいは「考えたこともない」というものである。さらにそのような人たちの10
%は自分の家族や会社やシニアクラブに属しているといった種類のアイデンティティを持っている。
また、上記の(2)の点に関しては、日本人の26%がアジア人を選んでいるが、残りの人は分からな
いと答えている。明らかに日本人の国家的アイデンティティはあまり強くなく、より広い地域的アイデ
ンティティに至っては非常に弱い。
これに対して、韓国人は極端にナショナリスティックで、(1)の質問では88%が韓国を選んでいる。
(2)の地域に関する質問でも88%がアジアを選んでおり、非常に国家主義的であると同時に地域主
義的でもあるといえる。
他方、中国人は約80%が中国を選ぶ国家主義者であるが、韓国人と違ってアジア主義者ではない。
(2)の質問に対しては、30%が中国を選び、30%がアジアを選んでいる。中国人の認識によれば、
中国対アジアという対立軸になり、アジアはあまり評価されない。
アイデンティティと東アジアの地域協力
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