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野田佳彦首相と李明博韓国大統領との会談は、「未来志向の日韓関係を推進する
貴重な、大きな第一歩」とした首相自身の評価とは裏腹に、今後に向けての禍根を
残したのではないか。
会談の中身を点検すると、うたい文句にふさわしい前進があったとは言い難い。
極めて遺憾なのは、野田首相によれば、日韓の最大の懸案である竹島と、いわゆる
慰安婦問題を両首脳が議論しなかったことだ。
日本側は日本領土である竹島について韓国が実効支配の動きを強めていることに
抗議しているが、慰安婦の賠償請求権問題は「法的に解決済み」として首脳会談で
提起しない方針だったという。
しかし、ソウルの日本大使館前では慰安婦の碑の建立が計画され、許可した
ソウル市鍾路区に保健福祉相が推奨文書を送るなど韓国政府あげての後押しが
展開されている状況だ。野田首相が抗議しなかったことは、韓国側主張を認めたと
受け止められかねない。
首脳会談の要点としては(1)北朝鮮の核廃棄と拉致問題の解決に向けた緊密な
連携の確認(2)日本が所蔵する朝鮮半島由来の古文書1205冊のうち代表的な
5冊の引き渡し(3)両国が協力すべき国際的課題について検討する「日韓新時代
共同研究プロジェクト」第2期の開始-などが挙げられよう。
さらに、7年前に中断した日韓経済連携協定(EPA)交渉の早期再開に向けた
実務協議の加速や、通貨危機の際に外貨を融通し合う資金枠の大幅拡大など、
経済面での合意もあった。
だが、これらは合意して当然の課題や異論の余地がない目標ばかりだ。EPA
協議については韓国と米国との自由貿易協定(FTA)の発効が確実になったこと
もあり、李大統領は交渉再開時期を明言しなかった。
問題は他にもある。
例えば、今年6月に発効した日韓図書協定は、韓国が保管する「対馬宗家文書」
など日本由来の古文書引き渡しは求めていない。これについて首相は大統領に
「アクセスの改善」を求めた。こうした不平等も是正すべきだ。
日本にとって韓国は安全保障と経済の両面で極めて重要な隣国である。日韓間
の往来は年間546万人(2010年)にのぼる。首脳同士の率直な議論を避けて
いては「未来志向」は前進しない。
ソース:MSN/産経ニュース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)