11/10/16 10:34:28.70
○金融危機で強大化する韓国経済 アジアBiz新潮流 アジア部次長・村山宏
欧州債務危機による金融市場の混乱が新興国まで波及し、「韓国危機説」さえ流れ出した。ウォンの対ドルレートは9月に
9.4%も切り下がり、10月4日には1年3カ月ぶりに1ドル=1200ウォンを割り込んだ。韓国は過去2回の金融危機をしたたかに
乗り越えており、今回も心配無用なのだろうか……。
朝鮮日報によると、訪米した韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は13日、米国のオバマ大統領と会談し、為替安定の必要性で
意見が一致したという。早くも「韓国が米連邦準備理事会(FRB)からドル資金を受け取るのではないか」との観測が出ている。
2008年のリーマン・ショック時の金融危機で韓国はドル不足に陥ったが、FRBと300億ドルまでの短期資金の提供が受けられる
通貨スワップ(交換)協定を結び、ドル資金を確保した。中国や日本とも同様のスワップ協定を結び、市場の安定に成功している。
世界のどこかで金融危機が起きると韓国は必ず巻き込まれる。外貨準備高に比べて対外債務の額が大きいためだ。いったん
資金流出が始まると支払いへの懸念が高まる。対外債務は4000億ドル近いが、外貨準備高は3100億ドル程度で必ずしも十分
とはいえない。
だが、韓国が危機に陥るたびに米国をはじめとする国際社会が手厚い支援を繰り出し、苦境脱出を手助けしてくれる。韓国の
国内総生産(GDP)は世界14~15位であり、ギリシャなどとは比較にならないほど規模が大きい。万一、デフォルト(債務不履行)に
陥れば、計り知れない悪影響が広がるからだ。
今も忘れられない言葉がある。「日本の韓国支援は日本のためなのだろう」。1998年初頭、ある韓国人ジャーナリストが筆者に
語った言葉だ。当時、韓国はアジア通貨危機で外貨不足に陥り、日本は100億ドルの支援を申し出ていた。国際通貨基金(IMF)
など国際社会全体では総額583億ドルの援助を表明し、韓国はデフォルトを寸前で回避できた。
この韓国人ジャーナリストの発言は民族としてのプライドから発したものだろうが、事実に反しているわけではない。98年3月末の
邦銀の韓国への債権残高は1兆2864億円(当時の都銀9行分、日本総研の資料)に上っていた。さらに部品や素材を輸出する
企業が韓国に債権を持っていた。
韓国経済が破綻すれば、大きな被害を受けるのは日本だった。日本政府の支援表明に、自国への危機波及を断ち切る狙いが
あったのは否めない。その後、韓国の金融情勢は落ち着きを取り戻し、日本の資金援助そのものは表明だけで実行されることなく
終わっている。
(>>2-5あたりへ続きます)
□ソース:日経新聞 2011/10/16 7:00
URLリンク(www.nikkei.com)