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米国は、アジア太平洋地域における自国の政治的および軍事的存在感を強める意向だ。これは、米国のクリントン国務長官が
米誌「フォーリン・ポリシー」に寄稿した「米国の太平洋時代」と題した論文の中で指摘されている。
論文の中では、米国が過去10年間で、アフガニスタンとイラクの2つの軍事行動に膨大な資源を費やしたと指摘されている。
クリントン国務長官は、今後10年間はアフガニスタンとイラクではなく、アジア太平洋地域が米国の政策で中心的な位置を占める
だろうとの見解を示した。
論文では、日本、韓国、フィリピン、タイとの軍事同盟も近代化する必要があると述べられている。世界の変化に合わせた形で
同盟関係を構築していく必要があるからだ。そのような代表的な例として、中国の台頭が上げられる。興味深いことに、クリントン
長官が挙げた同盟国リストに含まれる国々を地図で見ると、中国を取り囲んでおり、これは中国に圧力をかけているようにも
思われる。
ロシア科学アカデミー極東研究所のヤコフ・ベルゲラ専門家は、次のような見解を示している。
「このドクトリンの目的は何よりも、中国の経済成長、中国の地政学的影響への対抗だ。経済力の変化は軍事力にも関係
するが、これは、何らかの軍事目的に関するものだけではない。米国は、自国がアジアでの立場を強化しなくてはならないと一度
ならず述べており、中国はその動きを注視している。米国はアジアで立場を強化するために、同盟国ならびに中国の増大する
影響力に懸念を示す国々と、軍事およびそれとは別の同盟関係を強化しようとしている。米国はまず第一に、南シナ海と
東シナ海での領土問題を利用しながら、中国とこれらの国々を対立させようとしている。中国の経済、政治、そして軍事力の
成長テンポは、米国が自国のポテンシャルを維持する速度に勝っている。米国と中国の争いは、特にこれと関連して先鋭化した。」
米国防総省は一年前、米議会で地域における中国の軍事野心の増大が、米国の安全保障を脅かしていると認識させること
に成功した。その結果、太平洋のグアムにある軍事基地の近代化が始まった。日本と韓国の基地には米国の新たな戦闘機が
誕生し、朝鮮半島には、近いうちにも米国の次世代無人機が配備される。
これらの国々と米国の軍事演習では、装備レベルが上げられた。軍事演習は、南北朝鮮関係の悪化および日本と中国の
東シナ海を巡る論争が先鋭化した時期に実施された。これらは中国を刺激し、中国では、第5世代戦闘機の製造促進、
潜水艦の積極的な近代化、空母の建造という野心的なプログラムが始まった。
緊張感の高まり、それに伴う軍事費の増大によって各国の政治エリートが懸念を示していることは十分に理解できる。そう考えて
みればアジアは今日、各国の利害が渦巻く、世界でも有数の対立地域となっていると言えるだろう。
ソース(The Voice of Russia) URLリンク(japanese.ruvr.ru)
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