11/10/12 23:53:50.46 MM9tBi60
>>316
もちろん日本の識字層の広がりとは比べるべくもないが、
庶民階層でも文字を読み書きできる人は少数ながらいて、彼らはハングルを読み書きしていた。
例えば民衆(特に婦女子)に対する儒教的な道徳教化を目的に編まれた『三綱行実図』や『続三綱行実図』、『烈女伝』は
長く版を重ねて広く読まれた。
1618年には、許筠(허균 ホ・ギュン)がハングルによる最古の小説『洪吉童伝』を著した。
詩歌や儒学のハングル書籍は既に存在したが、150年経ってようやく庶民が親しむ小説が登場したことになる。
朝鮮王朝末期まで、公式にはエリート層の両班は漢文を用い、ハングルは身分の低い庶民が使うものという扱いだった。
エリート層の両班である許筠が、暴君と戦う主人公をヒーローとして、ハングルで用いて書いたのは、体制へのアンチテーゼであるといえる。
また、このような小説が出たということは、庶民に対してハングルがある程度浸透したということを窺わせる。
18世紀以降には、朝鮮の伝統的な口承文芸の「パンソリ」を小説化したパンソリ系小説が人気を博した。