11/10/12 23:12:37.40 MM9tBi60
>>311
廃れてはいないよ。文字階層には確実に普及していた。
漢字漢文に押されて普及しなかったという言説を2chではよく見かけるが、
そもそもその漢字漢文の学習にも、ハングルは非常に便利だった。
それまで、漢字音を示すには、中国でも「反切」という間接的な方法しかなかった。
例えば「東」は「徳紅切」と書いたが、これは「徳」(deok) と「紅」(hong)の声母(頭子音)と韻母(母音と末子音)を組み合わせて
「dong」という音を導くというもの。間接的な手法で、直接音を表すことができない。
しかし、ハングルなら 동 と直接示すことができる。だから、ハングルにより公用文を表記することに反対した両班ですら、
漢字漢文を学習するためにハングルを学び知っていた。
もちろん、このような漢字の発音記号としてだけでなく、朝鮮語文を表記するためにもハングルは活躍した。
ハングル公布直後から王朝が次々と国家事業としてハングル書籍を出版した。
ハングルにより初めて朝鮮語の固有語をありのまま書くことが可能になった。
庶民にも識字率は低いながらも用いられ、庶民向けの道徳本や通俗小説なども出版された。
両班階層も私的な手紙などにはハングルを用いた。
ただ、識字率自体が低かった(漢字もハングルも読めない庶民が多かった)ので、
識字率の大幅な向上は日本による教育体制の普及を待たなければならない。それは紛れも無く日本の功績だ。
しかし、それを「ハングルが普及していなかった」というのはおかしい。
近代以前の、識字率が低かったヨーロッパで「ラテン文字が普及していなかった」と言わないのと同じだ。