11/10/07 12:40:10.92
「赤い旗(中国国旗)だ」
6日午後、全羅南道新安郡黒山島付近の排他的経済水域(EEZ)をパトロールしていた木浦海洋
警察署の巡視船は、速度を上げた。前方5キロの海上で中国漁船2隻が発見されたからだ。2隻が
ペアとなり、海底で網を引く底引き網漁船である可能性が高い。
EEZの韓国側共同操業区域では、水産資源保護を図るため、事前に許可を受けた中国漁船しか
操業できない。2001年6月に発効した「韓中漁業協定」に基づき、中国の底引き網漁船は今年、
韓国側海域で今月16日から12月末までの期間に限り操業できることになっている。
巡視船のパク・チョンムク船長は、操業中の中国漁船を発見し、隊員を盾、りゅう弾発射器、3段
警棒、スタンガンなどで武装させた。その後、高速ゴムボート2隻で中国漁船に接舷を試みた。拡声
器で「停船せよ」と警告した後、素早く操舵(そうだ)室に突入した。漁船の船長は「われわれは
固定式の刺し網を使用している」と説明した。刺し網漁は今月1日から12月末まで認められている。
隊員は「中国漁船は操業期間に違反し、目の細かい網で無差別に魚を取るケースが多いため、
警備を強化している」と話した。
黒山島付近の海域は過去30年で最大のイシモチ漁場となっており、それを狙う中国漁船が集まり
始めた。中国近海では過去20年の乱獲と海洋汚染で魚が減っており、中国漁船は黒山島付近まで
遠征している。
黒山島付近の共同操業区域で操業許可を受けた中国の刺し網漁船は約230隻。木浦海洋警察署
のパク・ソギョン警備救難課長は「こうした漁船は、農林水産食品部(省に相当)に提出した申請書
通りに操業している。問題は水域外からやって来て、イシモチを一網打尽にしようとする中国の底
引き漁船だ」と話した。
海洋警察は、イシモチ漁場を狙う中国漁船が約1000隻に上ると推定している。
海洋警察は、底引き網漁船を「動く時限爆弾」と呼んでいる。漁船の大半は、取り締まりに備え、おの
やつるはし、鉄パイプ、シャベルなどで武装しており、黒山島沖には一触即発の緊張感が漂う。
今年3月には、忠清南道泰安邑南西沖の海上で、無許可でイシモチ漁をしていた中国漁船が取り
締まりに抵抗し、海洋警察官1人が重傷を負った。当時中国の漁船員は、ハンマーやおのを振り
回した。
海洋警察は、16日から始まる底引き網の操業許可期間に違法操業が増えるとみて、警戒を強めて
いる。海洋警察は1000トン級2隻、1500トン級2隻、3000トン級2隻の巡視船計6隻を交代で投入し、
24時間の監視態勢を取る。ヘリコプターによるパトロールも順次行う。出動した巡視船は最長で8日
のパトロールを行い、交代している。
今月5日には、新安郡の紅島から北西79キロの海上で、中国船籍の漁獲物運搬船が、漁獲量過小
記載の疑いで拿捕(だほ)された。木浦海洋警察署が無許可操業、操業区域違反、操業日誌虚偽
記載、漁業許可証偽造などで摘発した中国漁船は、今年に入り51隻(乗組員467人)に達した。
摘発されると、中国側は数百万‐数千万ウォン(数十万‐数百万円)の担保金を支払わないと、
漁船を取り戻すことはできない。
木浦海洋警察署のパク・ソングク署長は「ますます組織化や凶暴化が進む中国漁船を制圧する
ため、取り締まり指針も定めた。韓国の漁民が被害を受けないよう、警戒をさらに強化したい」
と述べた。
木浦(全羅南道)= チョ・ホンボク記者
朝鮮日報 2011/10/07
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