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米国で先月販売された平面テレビ（液晶テレビとプラズマテレビ）の2台に1台は韓国製品だった。
サムスン電子のノートパソコンは3年で世界シェアが3倍に上昇した。スマートフォン発売で出遅れ
たLG電子も1年でシェアを4倍に引き上げた。
欧米発の金融不安で、先進国市場が低迷する中、韓国の電子メーカーは市場支配力を急速に拡大
している。半導体、液晶パネルといった部品事業は価格急落で苦戦中だが、携帯電話端末、テレビ、
パソコン、家電など完成品は好業績を挙げている。「不況はチャンス」という企業経営の格言を実践
できている形だ。
■過去最高実績に期待
パソコン事業は、サムスン電子にとって「醜いアヒルの子」だった。半導体、携帯電話端末、テレビは
世界シェア1－2位の座を占めるが、パソコンだけは世界市場で存在感がなかった。しかし、最近は
パソコンが同社で成長分野として注目を浴びている。市場調査会社ガートナーによると、サムスンの
ノートパソコンの市場シェアは、2008年1.9％から09年には3.4％、10年には5.0％、今年上半期には
6.3％と上昇し続けている。毎年50％近い成長を示していることになる。
テレビの躍進も目立つ。米市場調査会社NPDが27日明らかにしたところによると、米国市場で平面
テレビのシェアはサムスン電子が36％、LG電子が13％となり、両社合計で49％に達する。高級製品
ほど韓国製の人気が高い。LG電子テレビ事業部の権喜遠（クォン・ヒウォン）副社長は「LGの3D（立体）
テレビは世界シェアが年初の2倍近くに上昇した」と話した。
アップルの「iPhoneショック」に揺れた携帯電話も2‐3年前の急成長を回復してきている。韓国の携帯
電話端末メーカーは、昨年までiPhoneに押され、シェアと営業利益率が急低下して、危機感に包まれ
たが、最近は状況が一変した。
サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーS2」は発売5カ月で世界で1000万台を売り上げた。今年
第2四半期時点で同社のスマートフォンの世界シェアは17.5％となり、アップル（18.5％）に肉薄した。
サムスン電子はこの勢いで、今年の携帯電話端末の販売目標を前年比10％増の3億台に設定した。
タブレット型パソコンは前年比5倍の750万台の販売を目指すと宣言した。同社の申宗均（シン・ジョン
ギュン）社長は「年末に十分に目標を達成できる」と自信を見せた。
完成品分野の予想外の善戦で、株式市場の反応にも変化が見られる。証券各社はサムスン電子の
第3四半期の営業利益を当初は3兆5000億ウォン（約2310億円）と予測したが、半導体、液晶パネル
事業の不振を受け、一度は3兆ウォン（約1980億円）に下方修正した。しかし、完成品分野の好調を
受け、予測値を再び3兆5000億ウォンに引き上げた。
スマートフォンの発売が遅れたLG電子も底力を発揮している。LG電子のスマートフォンの世界シェア
は、昨年第2四半期に1.4％にとどまっていたが、1年間で4倍の5.7％に上昇した。LGはCPU（中央演算
処理装置）を2個搭載し、処理速度を高めた「オプティマス2X」、眼鏡なしで3D画面を楽しめる「オプティ
マス3D」などの新製品を矢継ぎ早に発売し、主要メーカーで最大の伸びを記録した。
■攻撃的な海外投資
家電部門は攻撃的な先行投資で海外市場を攻略している。サムスン電子は昨年4月、ポーランドで
7600万ドル（約58億4000万円）を投じ、冷蔵庫、洗濯機を生産する家電工場を買収した。同社の洪昌完
（ホン・チャンワン）副社長は「買収価格を上回る1億ドル（約77億円）を追加投資し、設備を増設した結果、
生産量が40％増えた」と説明した。7月に欧州の2ドア冷蔵庫市場で、サムスンはシェアを40.1％に高めた。
LG電子も06年末、ポーランドのブロツワフにテレビ工場を設置後、業績が急激に改善している。同社の
欧州での液晶テレビ販売台数は、06年の182万台から今年上半期には430万台に増えた。ブロツワフ
工場のソン・ジュンミョン法人代表は「韓国や中国の工場から欧州に製品を運ぶには35日かかったが、
今は5日以内に欧州全域に配送が可能だ」と説明した。
白剛寧（ペク・カンニョン）記者
朝鮮日報 2011/09/28
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