11/09/12 09:41:55.93
英国ロンドンで発生した暴動は、言葉で説明できないほどひどいものだった。10代や20代の青年たちが、特別な目的もメッセージ
もなく、首謀者もいない状態で街に繰り出した。特別な要求があるわけでもないのに放火や略奪といった行為に走る若者たちに、
世界中が戸惑った。
外信各社は一斉に現場の様子を報じたが、その中に目を引くニュースがあった。暴動に加わった若者の中には、中産階級の
子女や普通の会社員たちが少なくなかったという。大企業の社長の娘が電気製品を盗み、建築技術者や郵便配達員が略奪に
加わっていたわけだ。黒人の移民者や低所得層による「貧民暴動」でないことは明らかだった。それは、世代意識で武装した
青年層が、既成の秩序に反旗を翻した「世代戦争」の始まりだった。
(中略)
韓国でも、若い世代の中に抵抗の種は育ち始めている。ロンドンの暴動とほぼ同じ時期に、韓国では大学授業料の半額化
を求める大学生のデモが相次いでいた。数百人という規模だったが、この動きが象徴するものは大きい。大学生が自身の世代の
利益のために、街に繰り出したケースだからだ。
(中略)
若者たちは今、自分たちが社会の主導勢力になろうとは考えていない。現代の若者たちは自らが搾取される階層になってしまった
からだ。今、社会的弱者とされる非正規職や失業者、借家住まいの人々は、20‐30代の若者層とほぼ一致する。かつて若者は
社会の変革を主導するエリートだったが、現在は救済を待つだけの「圧迫される民衆」なのだ。
それでもこの国の若者たちは体制に順応する傾向が強い。大企業への入社を目指して大学の成績やTOEICのスコアを上げよう
と熱心に努力し、父親世代が敷いた出世コースに乗ろうと必死になっている。だが、こうした構造は「世代間の協約」が前提となって
いる。一生懸命に頑張ればそれなりのポストが得られ、安定した生活が保障される、という社会的な合意があってこそ有効となるのだ。
今となっては世代間の協約という古い秩序は崩れた。借金まで抱え、大学を卒業しても半数以上は失業者か非正規職として
社会生活をスタートさせる。古い世代が幾重にも築き上げた正規職という関門を突破するのはごく少数にすぎない。このままでは、
若者と古い世代の間の世代戦争は避けられない状況だ。就職先だけでなく、住宅市場や年金・福祉体系などあらゆる仕組みが、
古い世代に有利になっているからだ。
古い世代向けの福祉に金を費やしているため、国の金庫はがら空き、国の借金は増え続けている。与野党が保育費無料化や
給食費無料化といった政策を打ち出すや、非正規職の若者たちは「結婚もできないのに、そんな政策は意味がない」と冷笑した。
福祉サービスの対象外となりながら、将来に向けて巨額の財政請求書を突き付けられた若者世代は、怒りを噴出し始めた。
若者の怒りはすでに現実のものとなった。選挙のたびに、若者層が投票所に出向くことを恐れ、与党が戦々恐々とするコメディー
のような状況が繰り返される。ただ、野党も、給食費無料化をめぐる住民投票を不成立に追い込んだと喜んでいる場合ではない。
「無償」シリーズが未来の世代に負担としてのし掛かることが確実となれば、その瞬間から若者の怒りは野党に向けられる可能性も
あるのだ。
挫折する若者に対し、もっと頑張れと個々にハッパを掛ける時代は終わった。左派グループは若者たちに対し「自己啓発はもう
やめて、石を持て」と訴えている。若者が搾取されている構造をひっくり返せというわけだ。希望がなくなれば、抵抗が始まる。いわゆる
「88万ウォン世代(非正規職を転々とし、1カ月の平均所得が88万ウォン〈約6万2000円〉程度の20代)」が石を手にする前に、
われわれの社会は若者たちに希望を与えているだろうか。
ソース(朝鮮日報、朴正薫(パク・チョンフン)記事企画エディター)
URLリンク(www.chosunonline.com)
URLリンク(www.chosunonline.com)
写真 URLリンク(file.chosunonline.com)