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「中国が空母を持てば、中国と米国がインド洋と太平洋を分割して管理しよう」。09年5月、中国の
最高位海軍将校が米太平洋司令官キーティング大将に提案した言葉だ。 大洋進出に対する
中国の野心が分かる。 これを実現させると言わんばかりに初の中国空母が試験航海を始めた。
すると海洋で勢力均衡が崩れることを懸念した米国が、空母の使用目的を明らかにしろと中国に
圧力をかけた。 中国国防省は研究・訓練用だと低姿勢を見せているが、中国軍の郭建躍大佐は
開放軍報への寄稿で、中国の空母は領土紛争など国益の保護に使用することを明確にした。
中国は東アジアの海洋で米海軍の介入を阻止する「接近拒否戦略」を強化している。 これは
台湾など中国近海で紛争が生じた場合、米軍の接近を抑制、拒否する戦略であり、これまでの
米国中心の海洋秩序を崩すものだ。 中国がいよいよ米国の海洋覇権にノー(No)と言い始めた。
台湾の独立制止はもちろん、南中国海(南シナ海)を核心利益と規定し、領有権紛争に米国が
介入した場合は一戦も辞さないという意志を見せている。 中国は南中国海で、中国戦闘機の
米海軍偵察機EP-3に対する空中衝突を始め、21世紀に入って5度も米海軍活動を物理的
に制止した。
中国の海洋膨脹戦略は米国の海洋覇権に対する重大な挑戦だ。 第2次世界大戦以降、米国の
世界戦略は海洋統制を前提にした介入戦略だ。 仮に中国の挑戦で米国中心の海洋秩序が崩れ
れば、米国の世界戦略は全面修正が避けられない。 このため米国は決して中国の海洋覇権挑戦
を容認しないはずだ。 米国は前進防御を強化し、太平洋に米海軍勢力の60%を配置した。
グアム基地を拡張し、シンガポールに最新型ステルス戦闘艦を配置するなど、中国牽制を強化
している。
米国と中国の海洋覇権競争は避けられなくなった。 しかし大洋で両国間の正面衝突まで進む
可能性は薄い。 この場合、中国は経済が後退するだけでなく、地上国境に潜在敵国を置いて
いるため、海洋への全力投球が難しくなる。 さらに20年以上も米国に後れている軍事技術を
短期間で高めるのも容易でない。 米国も金融危機で経済が沈滞し、増えた国家負債のため、
史上初の米国債格下げという危機を迎えた。 経済回復のために今後10年間、6000億ドル
の国防予算を削減するという。
このため米中間の海洋での全面武力衝突は考えにくいが、偶発的な局地紛争の可能性は今なお
残る。 その時期はスウェインが話した「米国が中国を独断的で侵略的だと考え、中国は米国が
衰退しているという認識を強く抱いた時」だ。 このような時に核心利益が脅かされれば紛争に
つながる。 代表的なのが西海(ソヘ、黄海)上の南北武力衝突だ。 この時、米空母の進入に
対抗して中国が自国の安保を理由に介入し、状況が悪化すれば、中国は北朝鮮カードをいつでも
前面に出すことができるからだ。
米中海洋覇権競争の本格化で、韓半島安保脅威の軸も地上から海上に移動する可能性が高い。
これに対応して韓国は韓米同盟を強化し、韓国が米国の死活的利益になるように戦略的価値を
創出することが要求される。 このため韓国は均衡艦隊を建設し、有事の際には周辺国の海洋
統制を拒否できなければならない。 均衡艦隊とは、独自に国家戦略目標を達成できる艦隊で、
その手段はイージス駆逐艦に原子力潜水艦と中型空母で構成された機動艦隊になる。 特に機動
艦隊が迅速な機動力を発揮するためには、済州(チェジュ)海軍基地が早期に建設される必要
がある。 こうした点でその間中断されていた海軍基地の建設が正常に推進されたのは幸いだ。
済州海軍基地は韓国の平和と繁栄を開く関門にならなければならない。
パク・ホソプ海軍大学名誉教授
中央日報 2011/09/08
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