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[花のガーデン]ムクゲがつないだ日韓の絆…大阪・枚方市「王仁塚」
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▲太陽に向かってかれんな花を咲かせるムクゲ
夏の終わりを迎え、上品でかれんな花を咲かせているのがムクゲ。日本では庶民的な庭木のイメージ
が強いが、韓国では民族のシンボルや国花として愛されている。4世紀末に朝鮮半島から漢字と儒学を
日本に伝えたとされる王仁(わに)博士の墓とみられる大阪・枚方市の「王仁塚」では、約20種250本も
のムクゲが、10月上旬まで墓碑の周辺を美しく彩っている。
墓の復興シンボルに 北河内に広がる長尾丘陵の閑静な住宅地。その一角に「王仁塚」はある。「博士
王仁之墓」と刻まれた墓碑を囲むように植えられたムクゲの木々は、太陽に向かって枝を伸ばし、かれん
な花を咲かせている。そこへ静寂を破る楽しげな声。聞けば、8キロも離れた枚方市牧野からウオーキン
グを楽しんできたという。そんな愛好家たちにとって、丹青彩色の百済(くだら)門や朱塗りの休憩所は格
好の休息場所になっているようだ。
王仁塚は戦前から大阪府指定の史跡として知られていたが、戦後は荒れ放題。特に、宅地開発が進ん
だ1970年代後半からは廃材の捨て場となって荒廃ぶりが加速。その存在は忘れ去られようとしていた。
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▲「王仁塚」を守る吉留一夫さん。手にしているのは韓国の修学旅行生から贈られたムクゲの造花
この惨状に立ち上がったのが写真家・吉留一夫さん(77)ら地元の有志たち。85年に「王仁塚の環境
を守る会」を発足させ、墓地の整備に乗り出した。その際、復興の決め手としたのが王仁博士の故郷・韓
国の国花ムクゲだった。
「お墓の暗いイメージを美しい花で払拭したかった。日韓両国の友好のためにも、本場のムクゲにこだ
わったんです」。吉留さんは協力を得るために奔走。「韓国ムクゲ植樹運動本部」の橋渡しで、ソウルに
近い光明市からムクゲの苗木200本を持ち帰ることができた。
「幸い、ムクゲは耐寒性があり乾燥にも強く、荒れ地でも大丈夫。剪定(せんてい)も楽だし、虫もつか
ない、実に育てやすい木なんです」(吉留さん)
植樹した11月3日には「博士王仁祭り」が開催され、王仁博士の生誕地・韓国全羅南道霊岩郡と枚方
市の友好都市提携にもひと役買い、当地の王仁廟(わにびょう)で開かれる「王仁文化祝祭」にも招かれ
交流を深めている。そのかいあって、韓国から毎年1万人を超える修学旅行生や観光客が王仁塚を訪
れるようになった。
「ムクゲは朝に咲き、夕方にはしぼむ一日花。その潔さも魅力ですね」。墓の真贋(しんがん)や王仁博
士の実在については異論が唱えられているが、吉留さんは「ムクゲの名所でいいじゃないですか」とほほ
笑む。王仁塚一帯が日本を代表する“ムクゲの里”となる日を夢見て、吉留さんは汗を滴らせながら花を
守り続ける。
(>>2以降に用語解説あり)
ソース:スポーツ報知 2011年8月31日12時09分
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