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◆北朝鮮テポドン、標的は三沢基地
1998年8月31日、北朝鮮が日本に向けて発射した弾道ミサイル「テポドン」が、
米軍三沢基地を標的にしたものだと米政府が分析していたことを、
元官房長官の野中広務氏が30日、青森市で開かれた農業団体の会合で明らかにした。
発射翌日には米国防トップが秘密裏に三沢基地入りしたことにも言及。
北朝鮮は2006年にも日本海に弾道ミサイルを連続発射するなど、
軍事的な脅威を日米に与え続けており、「テポドン・ショック」が日本国内だけでなく、
米国における極東の軍事的存在をも脅かす緊急事態だったとあらためて強調した。
野中氏は当時の小渕内閣で官房長官を務めていた。
同氏によると、コーエン米国防長官(当時)から
「今度のテポドンはわれわれ(米軍)の三沢基地を狙っていた」と聞かされていたという。
弾道や飛行スピード等の解析から判断したとみられる。
コーエン長官はテポドン発射翌日に来日し、そのまま極秘で米軍三沢基地入り。
その後、東京に戻ってから「これほど正確に(テポドンを)撃つことができるという、
北朝鮮の米軍基地に対する行動」と野中氏に説明したという。
さらに野中氏は、テポドンについて「三沢基地から6キロの海上に着弾させ、
その先は空(から)で飛んだ」とし、ミサイル推進部分から切り離された弾頭が
三沢基地近くに落ちた-と述べた。
ただ、1999年版防衛白書には「飛翔体(テポドン)先端部の外郭を覆っている部分」
とみられる物体が三沢沖約60キロ地点に落下した-と記されている。
弾頭かどうかについて防衛省広報課は「白書に書いてあることがすべて」とし、
取材に対し明確に回答しなかった。
三沢から着弾地点までの距離をめぐる野中氏の発言と白書との食い違いでも、
同じ説明を繰り返した。
白書によると、テポドンは2段方式で1段目の推進部分と見られる物体を日本海で分離。
日本列島を飛び越え先端部分を三沢沖で落下させ、最終的に2段目の推進部分を
三陸沖約520キロに着水させた。
現在整備が進む日本のミサイル防衛システムは、これを契機にスタートした。
野中氏は「三沢基地がそういう危険な存在であったんだということを初めて知った」
と述懐した。
東奥日報 2011年8月31日(水)
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