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■ 日中韓のパブリック・ディプロマシーの実力
フジテレビが意図的に「韓流」番組を多く流し、偏重がひどいとした抗議デモが21日、フジテレビ本社
がある東京・お台場であった。6000~8000人ほど集まったという。8月7日にも2500人規模のデモが
あった。
私はあまりテレビを見ない方で、フジテレビがそんなにK-POPや韓国スターばかりを持ち上げている
とは気に留めなかったが、デモが起きると言うことは、そう感じている人がやはり少なからずいると
いうことだろう。
もっとも、フジテレビの方は、この程度のデモは歯牙にもかけていないらしく、抗議文書の受け取り
も拒否している。大多数の日本人はやはり、韓流好きで、フジテレビを支持してくれるという自信が
あるのかもしれない。ちなみに、私の親友の母君も韓流ドラマ好きで、今日は韓流ドラマがあるから、
という理由で、友人の誘いを断ったり、用事を早く切り上げて帰ったりすることもあるという。韓流
ブームを最初に巻き起こしたのはNHKのBS2で放送された韓国ドラマ「冬のソナタ」だが、その時
以来の韓流ファンという。
■ 「冬のソナタ」ブームの効用
このNHKによる最初の韓流ブーム(2003年)の時、私は北京駐在記者だった。当時、北京のメディア
研究者やメディア業界人たちが異口同音に主張したのは、「韓国がやったことを中国もできないか」
ということだった。というのも、中国から見れば、あの韓流ブームは「パブリック・ディプロマシー
(公共外交)戦略」の見事な成功例だからである。
あの「冬のソナタブーム」で、日本人の対韓感情が劇的に改善されただけでなく、大きな経済効果を
韓国にもたらしたことは、当時の中国メディア・宣伝当局関係者から見れば、相当の驚きだった。
小泉純一郎元首相の靖国神社参拝問題の影響で日中関係が冷え込むなか、こうした一発逆転的
の日本の対中世論変化を中国としてもできないのか、と誰もが考えていた。
パブリック・ディプロマシーというのは文字通り、外交機関ではなく、パブリックのメディアや民間の
機関、産業などを駆使して、文化・情報発信、留学などの教育、観光などの市民交流を通じて、
直接相手外国市民に接触し、自国のプラスイメージを植え付け、相手外国市民の考え方を自国に
有利なように変え、その世論の力を借りて相手政府の外交政策を考えさせてゆく手法である。最近
では「ソフトパワー外交」とも言われている。
元は社会主義国のプロパガンダ(政治宣伝)に対抗し、共産圏の民主化を推進するものとして、
米国でかなり研究の歴史があると聞いている。誤解を恐れずにいえば、非常に洗練された“洗脳”
と言っていいだろう。
ソース:日経ビジネス
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
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