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◆終戦66年 今も続く米軍の占領/再び沖縄を戦場にするな
終戦記念日を前に枝野幸男官房長官の口から驚くべき言葉が飛び出した。
10日の参院沖縄北方特別委員会で「(尖閣諸島に)他国が侵略してきたら、
あらゆる犠牲を払ってでも自衛権を行使し、これを排除する」と述べたのである。
漁船衝突事件などを起こした中国が念頭にあるのは間違いない。
憲法9条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めている。
武力行使をほのめかす発言自体、憲法の理念に抵触する。
平和主義をないがしろにする人物が官房長官の任にあるのは大きな問題だ。
攻めてきたら戦うと言わんばかりの態度は人命軽視にほかならない。
戦火を交えれば必ず住民が犠牲になる。
枝野長官は沖縄を再び戦場にしてもいいと考えているのか。
沖縄戦の歴史を学んでいれば「あらゆる犠牲を払ってでも」とは
口が裂けても言えないはずだ。
政府に求められるのは、紛争など起き得ない友好な関係を隣国との間に築くことだ。
尖閣諸島が石垣市に属する日本の領土であることは疑いようがない。
中国、台湾が領有権を主張し始めたのは約40年前。
尖閣諸島の周辺海域で石油などの埋蔵資源が有望―という調査結果が
明らかになってからであり、論拠に乏しい。
中国が、自国の領土だと強弁するのは国際社会から不信を買うだけだ。
国際法にのっとり粛々と外交努力を重ね、理不尽な要求は何の得にもならないと
中国に理解させなければならない。
中国側の動きが目に余るからといって、政府首脳が唐突に自衛隊出動の可能性に
言及しては対話の道を閉ざしてしまう。
戦闘を示唆する官房長官の言動を菅直人首相が黙認しているのは理解し難い。
「死に体」といってもまだ一国の総理だ。自身が任命した閣僚の不穏当な振る舞いを
許してはならない。他国との無用なあつれきを招かないように、厳しく注意すべきだ。
琉球新報/社説(記事抜粋) 2011年8月14日
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