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中国政府・衛生部のトウ海華報道官は10日の記者会見で、世界エイズ・結核・マラリア対策基金
が中国への資金援助を凍結したことを認めた。一部メディアが「援助停止措置は解除」と報じ
たが、トウ報道官によると基金側と協議している状態という。（「トウ」は「登」におおざと）
トウ報道官は、凍結の理由について触れなかった。これまでの報道によると、中国政府と基金側
は、資金援助のうち35％を「（中国国内で該当する活動を行う）民衆組織に配分する」ことで
合意していた。しかし基金側による2011年初頭までの調査で、中国側が約束どおりに資金を民衆
組織に回さず、別の用途に流用していたことが判明したという。
このため基金は、中国に対して「発症者の治療に直接用いる部分以外の資金援助」を凍結する
ことに決めた。金額で1億ドル以上にのぼると見られている。中国側関係者はこれまでに「民衆
組織の定義が基金側と異なる」などと説明した。
10日の記者会見でトウ海華報道官は、「資金援助の凍結により、エイズ・結核・マラリアの予防
活動で、かなり大きな影響がでるだろう」と述べ、政府も問題を重視し、実態調査に乗り出した
と説明した。基金側とも緊急協議を行っており、解決への道を模索しているという。
世界エイズ・結核・マラリア対策基金は、スイスのジュネーブに本部を置く、非営利機構。設立
は2002年。人道主義にもとづく援助を実施しているが、約束違反や不正に対しては厳しい姿勢
で臨んでいる。これまでにも、アフリカ諸国やドイツ、欧州連合（ＥＵ）、デンマークなどに対して資金援助を凍結したことがある。（編集担当：如月隼人）
サーチナ 2011/06/10
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