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サムスン製自走砲の性能に問題、イメージ大打撃
役員辞任
昨年11月23日午後、北朝鮮軍が放射砲(多連装ロケット)などで韓国側の延坪島を砲撃した際、
同島には6門のK9自走砲があった。海兵隊は直ちに反撃したが、3門は故障しており、動くのは3門だけだった。
1門は射撃訓練中に不発弾が詰まり、射撃不能状態だったほか、2門は近くに北朝鮮の砲弾が着弾し、
衝撃に弱い射撃コントロール装置の電子回路に異常が生じた。そうした事実は当時マスコミに大きく
報じられ、世界でも最も優れた自走砲といわれたK9と製造元のサムスンテクウィンのイメージは大打撃を
受けた。
それから約3カ月後の今年2月末、慶尚南道昌原市にあるサムスンテクウィンのK9自走砲工場などに
サムスングループの経営診断チームが入った。十数年ぶりにグループレベルでサムスンテクウィンに
対する経営診断が始まった。防衛産業の消息筋は「李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長の立場では、
サムスンテクウィンがグループレベルで占める比重は大きくないものの、K9自走砲の不良が問題として
浮上し、グループのイメージに悪影響を与えることを恐れたようだ」と指摘した。
経営診断チームは、会計帳簿など関連書類を細かくチェックした。K9自走砲の部品を供給する下請け
企業の関係者にもいちいち接触し、納品過程でテクウィン関係者に不正がなかったかどうかを調べた。
消息筋は「経営診断は2カ月にわたり、放射線測定器で放射線を調べるように、細部まで徹底して
行われた。経営診断という性格上、K9自走砲の技術的な問題よりは工場の運営、納品形態などが集中的に
調べられた」と語った。この過程で一部職員が下請け企業から飲食やゴルフなどの接待を受けていた事実が
確認された。
サムスンは経営診断終了から約1カ月後の8日、サムスンテクウィンの呉昌錫(オ・チャンソク)社長の
退陣など徹底した責任追及を行った。専務クラスの役員5-6人がさらに辞任すると観測も出ている。同社
関係者は「今回の措置はK9自走砲など防衛産業に関する問題のせいではない」と述べた。しかし、K9問題が
経営診断実施のきっかけになったとの見方が大勢だ。
射程距離40キロに達するK9自走砲は、トルコにも輸出され、一時は優秀性が評価された。しかし、2009年
以降、相次いで不良が発生し、納品過程での不正も摘発された。09年にはK9の弾薬充填(じゅうてん)
装置をサムスンテクウィンに納品していた外国企業が部品単価を最大で4倍以上水増しし、41億ウォン
(約3億円)の不当利得を得ていたことが、検察の捜査で明らかになった。
昨年8月には、国道そばでの訓練を終えたK9が部隊に戻る際、右折時に車体が左側に傾き、ガードレールに
衝突する事故が起きた。ステアリングシステムの部品の欠陥が原因だった。昨年9月にはエンジンに不適正な
不凍液を使用し、38門のK9でエンジンのシリンダー外側に穴が開いていたことが明らかになった。今年4月
にはK9と砲弾を供給するK10弾薬運搬車の動力伝達装置で国防規格とは異なる材質のギア部品が使用されて
いたことが監査院の監査で判明し、監査院は検察に部品メーカーS社の捜査を求めた。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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