11/06/01 05:33:22.17
- 専門要員・救急機材なしの「ニセ救急車」３日で８２台摘発―浙江 -
浙江省温州市の警察はこのほど、専門要員や救急機材のない「ニセ救急車」を3日間で82台を摘発した。
中国新聞社が報じた。
同市では今年に入って、専門要員が同乗せず、救急機材などの設備のない「ニセ救急車」を利用した患者が、
車中で死亡する事件が相次ぎ、社会問題に発展していた。同市ではこのほど、3日間に捜査員のべ1778人を動員し、
「ニセ救急車」82台を摘発した。温州市救急センターによると、「ニセ救急車」は、「救急車」の持ち主と、医師、病院
事務員、警備員などが結託し、患者から搬送料として救急車に支払われる高額な利用料を、不当に分配していたと
される。
『温州市救急車管理弁法（暫定規定）』によると、同市では、人口5万人に対して救急車1台の配置が義務付けて
いる。しかし、本来60台あるべきの“正規”救急車が、現時点で28台と少なく、「ニセ救急車」に“つけ入るスキ”を
与えているのが現状だ。
また、衛生局や公安局などに取り締まりや罰則について規定がないことなども、「ニセ救急車」の暗躍を許す一因
になっている。温州市交警は今回、ドライバーの免許証の内容と実際の運転状況の不一致などから、「ニセ救急車」
82台を摘発し、市民からの苦情に応えたと強調した。
一方、温州大学法学院の方益権院長は、同市の交警がアピールする「快挙」に対して冷ややかだ。「指導者に
よる問題の重視があって初めて、摘発に踏み切る。しかし、効果は短期的で意義が薄い。『ニセ救急車』は、低コスト
操業でき、市場のニーズも高い。金もうけができる上に、政府機関の管理もゆるいとなれば、いずれまた業者は
“復活”するだろう」と指摘し、同問題を、衛生局や病院、交通管理機関などを通じて、包括的に取り締まるべきだ
と主張した。
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◆解説◆
中国における救急車の利用は、有料が一般的で、タクシーよりも割高なことが多いとされる。また、中国では、
退院する患者が、容態の急変など、万一にも対応できるよう、帰宅にも救急車を利用するほか、遺体の搬送など
にも利用されることもあるとして、救急車が多用されるケースが目立つという。
一方、温州市救急センターは、正規の救急車と「ニセ救急車」では、見た目は似ているが、乗ってからの対応には
雲泥の差があると指摘する。同センターの施肖鋒副主任は、「専門の救急要員2人が添乗し、酸素供給システム
や心電図、心電図モニター除細動器、担架、呼吸用機器、自動ストレッチャー、スクープストレッチャー、薬品など
を備える、1台約45万元（約560万円）の正規の救急車に対し、『ニセ救急車』は約10万元（約124万円）で、応急
処置などの専門知識を持たない運転手1人のみが、医療用酸素ボンベや簡易担架、簡易診療キッドなどの乏しい
設備で患者や同乗者の対応をする」と説明。利用者に注意を呼びかけている。（編集担当：青田三知）
ソース ： サーチナ 2011/05/30(月) 12:12
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