11/05/27 02:36:09.92 yuDjseGr
第65題在日一世の家庭内暴力
「うちのお母ちゃん、毎日お父ちゃんに殴られてた。血が天井につくぐらい殴ったこともある。ほんまやで。
今でもその跡があるんやで。」
「父親は母親をしょっちゅう殴っていた。それも棒で殴るんや。お膳をひっくり返すのもしょっちゅうやった。
僕が高校の時、二階の階段の上から母親めがけてテレビ投げたことがあった。そのとき僕もさすがに、
ええかげんにやめろや、と父親をとめたら、ひっくり返ってしまった。それから父親はおとなしくなって、
殴ることはなくなった。僕のいない時に殴ることはあったみたいやけど。」
「あそこの主人はええ人やったで。一回もヨメさん殴ったことないんや。ほんまにヨメさん大事にしてた。
うちらの国では珍しいで。」
これらは在日一世のおられる家庭の状況を聞いた時の一コマである。
在日一世の家庭内暴力(夫による妻への暴力)はすさまじいもので、日常的に在日と接しない日本人には
ちょっと想像ができないものがあると思う。
数年前に殴られたために今なお足を引きずっているという一世の女性を見たことがあった。また昔頭を
殴られたところが今も凹んでいるという話を聞いたことがあったし、髪の毛を掴んで振り回したためにそれが
すべて抜けてしまい、大きく禿げてしまったという女性の話も聞いた。
ただし上述のように、全く暴力のない家もなくはない。しかしそれがあまりに目立つくらいに、在日一世の
家庭といえばすぐに暴力をイメージしてしまう。今はさすがに一世もお歳を召しておられるので、派手な暴力
を聞くことはなくなった。
日本という厳しい差別社会での苦労、悔しい思いを妻にぶつけているのだ、という解説を読んだことがある。
日本という異国の地で、本来安息の場であるべき家庭で繰り返される夫の側の妻への感情の爆発は、
はたしてそのような解説で済むものなのかどうか。
総じて在日一世の女性たちは夫の暴力だけでなく、日本社会における民族差別、同胞社会における女性差別、
文盲、貧乏、不安定な仕事と生活、夫の酒乱や博打、女遊び‥‥‥と何重もの苦労を生き抜いてきた。
(追記)
拙著『「民族差別を闘う」には疑問がある』の一節の再録。一部改変。
URLリンク(www.asahi-net.or.jp)
佐高信・辛淑玉(対談)
『佐高信の日本国憲法の逆襲 第2回 この憲法、日本人にはもったいない!』
月刊「世界」(岩波書店)2000年2月号
佐高 二世と三世の違いでいうと、朴慶南でも梁石日でも、父親がもの
すごい暴君だったようですが、あなたの場合は少しは違う?
辛 いや、朝鮮人の親の多くは暴力的ですよ。その暴力的なものはどこ
で培ったのかというと、儒教の文化に植民地体験が加わったことで
す。これは朝鮮人の家だからというより、暴力はより弱いところに
移行していくわけです。日本の社会から抑圧された朝鮮人の男たち
は、朝鮮人の女に対してよりひどいことをする。子どもに対して高圧的
になる。お母さんたちはそこでまた子どもを抑圧する。それがあたり
まえだと思ってきて、初めて日本の学校に行ったときに、親に殴られた
ことのない子がいて腰が抜けるほど驚いて、何て日本人は幸せな
生き方をしてるんだろうと思いましたね。これは親の世代で終わって
いるかというと違います。日本の在日社会に脈々と生きつづけている
暴力の文化(=支配の文化)があるのです。差別と共存しているのです。
現代コリア コラム 孫正義氏と民族差別
佐藤勝巳(現代コリア研究所長)
孫氏の場合、日本人幼稚園児が民族差別意識を持っていないと成り立たたない話だ。だが、
それを証明することは至難なことだと恩う。過去、民族差別間題に関わった私のささやかな体験
からすると、彼らが出自を隠す大きな理由は、自分の両親や祖父母などの言動が、日本人の
友達のそれと著しく違うことである。
在日の子供たちの父母の言動は、朝鮮半島では珍しくないことであっても、日本あっては異質の
ものだ。在日の子どもたちは、いやでも自分の両親と日本人のそれと比較することになる。一例を
挙げるなら、多くの在日韓国・朝鮮人二世たちは、父親から「暴力」を振るわれた経験をもっている。
同世代の日本人の父親は、例外はあるにせよ子供に対してしばしば暴力を振るう人はまずいない。
URLリンク(gendaikorea.com)