11/05/24 14:59:21.81
別に『読売新聞』だけでなく、当然の如く『産経新聞』も、今回の会談で中国や韓国との間に
存在する本当に難しい問題に言及できなかった菅首相の外交姿勢を批判しております(「語らぬ
菅首相 「韓国議員の国後訪問」「竹島問題」難問あるのに…」)。ただ、やはりこうした記事
はどの媒体が報じたかが重要であり、『読売新聞』や『産経新聞』なら「またか」ですませら
れますが、中国共産党系の『環球網』となると、ちょっと意味合いが異なってきます。
『人民網』が政府の公式見解とすれば、『環球網』はガス抜き的な意味も含めていろいろ過激な
意見を載せる傾向があるので、こうした記事が掲載されただけかもしれません。しかし、まとも
にこの記事を読めば、菅首相と日中関係を話し合っても、いつ総辞職するかわからず、何の意味
もないと中国側が思っていることを意味しております。
実際、これまでに何度も、今回と同じく日本の報道を引用するという形で、菅首相の総辞職が
近いことを思わせるような記事が中国で報道されております。『新華網』が伝えた「日本震后政局:首相下台论四起 菅直人深陷困境 」(日本の震災後の政局:総辞職を求める声が四方か
ら起こっており、菅直人は困難に陥っている)や、『人民網』が伝えた「民意调查显示日本7成民众期望首相菅直人下台 」(世論調査によれば日本人の7割が菅直人の総辞職を望んでいる)
等です。
菅首相本人は、もしかすると今回の日中韓首脳会議で、中国が輸入制限の一部緩和を表明した
ことを受けて、成果があったと考えているかもしれません。しかし、現実問題として、輸入禁止
措置が解除されたのは、山梨・山形の二県にすぎませんし、乳製品や野菜、水産物を除く食品
についての放射能検査証明書を不要にする規制緩和策といっても実際に現場の税関がどのよう
に対応(規定を運用)するかによって全く取り扱いが変わってしまうのが中国ですから、実際
の運用を見るまで過度の期待をすべきではないと思います。
これまで何度も書いてきているように、外交とは国を代表する政治家が自国の国益の拡大のため
に他国と交渉することと私は考えております。しかし、菅首相がここまで中国に足元を見られ
ている以上、彼が外交で成果をあげることができるとはとても思えず、その意味でも彼のとる
べき道は1つしかないと思うのですが、どうでしょう。
以上です