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許文道(ホ・ムンド)/前統一部長官
（前略）作家、小松左京は小説「日本沈没」の中で、日本が歴史を通じて自らをアジアの孤児にな
るべくふるまい、列島が沈没する終末状況になってもアジアの隣国には安心して避難するところも
ない境遇を嘆いた。
現実の日本はアジアで孤児のような境遇の孤国と言わざるを得ないことがあった。21世紀になっ
て5年も過ぎた2005年秋、国連総会でのことだ。日本はその経済力に見合った国際的指導力を
発揮したいと高額の国連分担金を負担し、開発途上国援助のODAをどこの国より多く出すなど長
く精魂込めたあげく、国連総会に日本が安保理事会常任理事国に入る国連改革案を出した。日
本がこれまで緊密な関係を作ろうと努めてきた東アジアのASEAN10カ国および韓国・中国など、
どの国からも支持を受けられず、改革案は廃棄されてしまった。日本はその経済が世界トップクラ
スに到達してからしばらくしても、東アジアの孤国であることが示されたのだ。
アジア諸国は日本が第二次世界大戦の時、‘アジア解放戦争’うんぬんのたわごとを言ったが、
事実はアジアの様々な民族に新しいクツワをはめるためのものであったことをインドのガンジーは
指摘したが、隣人たちは今日も忘れることができないだろう。時間がいくら過ぎても歴史を清算し
なくては日本はアジアで真の友人を得られないことを今日も知らずにいるということなのか。
上でも見た「無縁社会」（訳注：該当部分省略）は近代日本の一つの終着点だ。この言葉には絶望
感と喪失感が込められている。この終着点に東日本大地震が襲うことによって、日本人たちは歴
史のターニングポイントを感じないわけにはいかないようだ。関東大震災などでは酷い目にあった
が、時代が変わったとは感じていない。災後（訳注：戦後の様に新しい時代区分）の新しい出発を
構想しながら日本は今、世界観の転換まで揺れているから、提言をしたい。
まず退渓学者として、仁義の土台の上に西洋近代を受け入れようとした横井小楠が暗殺されずに
その意志通り展開した日本を一度描いてみてはどうだろうか。松浦玲の『明治維新私論－アジア
型近代の模索』(現代評論社）が示唆的だ。
二番目に、日本は第二次大戦で軍事的敗滅しただけではなく、マハトマ・ガンジーの指摘(マハト
マ・ガンジー、‘すべての日本人に’、<私の非暴力2>、みすず書房)のままに‘道徳的崩壊’まであ
ったことを思い出さなければならないだろう。日本は戦後に歴史清算を回避して倫理的再生の道
を自ら閉ざした。もう東アジアの政治・経済の地形図は大きく変わった。日本が韓国との関係で過
去の清算を回避することが今は韓日両国の共通の利益に障害になっているという大きな絵に目
がいくことを願う。
三番目では、東日本大地震が起きて日本の人々はあれこれ問題を取り上げ論じながらしばしば
1923年の関東大地震を思い出す。その時、日本の普通の人が犯した朝鮮人虐殺についてはい
かなる場合も口にするのを、地震から3カ月を過ぎた現在も見ることができなかった。
今回の地震がおきて日本の人々は災難の中でも忍耐心と秩序意識がすごいと大騒ぎだが、関東
大震災の時は日本の良民がどのようだったか日本の人々はよく知っているのではないか。朝鮮の
土地から隣人が大きな災難にあったと財布ちょっとはたいて送ったところ、返ってきたのが独島（ド
クト）欲だけでは言う言葉がない。朝鮮人は日本の人々ほど現金ではない。
誰か日本を代表する人が、今年は大震災が起きた9月に、官憲が朝鮮人という理由だけで川の
堤防に立たせて機関銃を乱射したその荒川の堤防に行って、ロウソクのあかり一つつけて懺悔の
合掌でもすることを期待する。
日本、第3の開国の成功的な出発点がそこにあるだろう。倫理的立脚点を得た日本が、世界に向
けて活発を展開することになるだろう。東アジアの平和の軸、韓日連帯のダイナミズムの真の出
発点がそこから始まるだろう。
ソース：ニューデイリー(韓国語) 日本、歴史清算津波を
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