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中国水運の大動脈である長江(揚子江)が今年の干ばつの影響を受け、水位低下が深刻になっている。水運業者は積載量を
減らすなど既に物流が滞り始めた。全国人民代表大会(国会)が三月に承認した第十二次五カ年計画(二○一一~一五年)の
目標にした長江の輸送能力の大幅な増強の支障になり、長江から慢性的に水不足の黄河流域に給水する大プロジェクトにも
狂いが生じかねない状況だ。
長江航務管理局によると、長江の水量は流域によって差があるものの、軒並み例年の25~70%まで減少しているという。
観測史上最低を記録した流域も多く、座礁事故が起きている。
上海に近く、上流に向かう貨物船が集まる江蘇省南通市の水運会社の担当者は、水位低下で貨物船の航行を制限している
ことを明らかにした。川幅の広い下流域でさえ積載量三千トン以下の小型船の運航がやっとで、積載量は通常の七割ほどに
減らしている。
大半の積み荷は大規模開発が進む重慶市など内陸部で建材として使われる鉄鋼や発電用の石炭だ。業者の多くは小型船
手配に苦慮し、上流域到着に「三~四日の遅れが出ている」と頭を痛める。
昨年の長江の貨物輸送量は約十五億トンと、河川としては六年連続で世界一を達成した。さらに、政府は一五年までに
五万トンクラスの貨物船を江蘇省南京市まで、一万トンクラスを重慶市まで運航できるよう、輸送力の強化を目指している。
また、水不足に悩む北京など北部の黄河流域に給水するため、通常は水量が豊かな長江から三本の水路を通す大工事
「南水北調」も進行中だ。
だが、水運関係者は「今回の渇水で流域関係機関が、上流の三峡ダム(湖北省)からの放水量を増やすよう求めている。
北部のことを考える余裕はない」と指摘。中国は全土で水不足に陥る危険性もある。
ソース(東京新聞) URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
図表 URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)