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梅軒（メホン）尹奉吉（ユン・ボンギル）義士に対する国民的尊敬心は今も消えず、その熱気は年
がたつほど増すようだ。それは彼の愛国的偉業があまりにも光っているためだ。1932年ならば日
帝の猛威が最も強かった時期だ。朝鮮を強制併呑した日帝は中国に進出して英国、ドイツ、フラン
ス、ロシアなどと共に上海に租界を構築した。ドイツなどは本国との距離が遠くて大規模軍隊を派
遣できなかったが、日本は中国各地の大都市を中心に線と点を結ぶ中国掌握にのり出した。
阿片戦争によって英国に敗北して日清戦争で日本に屈した大国、中国は図体ばかり大きかったも
のの帝国主義の領土拡張政策に徐々に追い込まれたのが実情だった。中国は各国が任意に設
定した租界で主権を行使できないみじめな立場だった。自国領土を奪われて空回りしなければな
らなかった中国は老衰した国の体面を正しく立て直す方法がなかった。この時、さく烈した事件が
ユン・ボンギルによる虹口公園(現在の魯迅公園)爆弾投擲事件だ。
おりしも天長節を迎えた日本領事館では大々的な記念式準備に忙しかった。上海に居住するす
べての日本人が参加することになったし、陸軍大将など要人たちが壇上を占めた。ものものしい
警備が繰り広げられた式場にユン・ボンギルはあらかじめ準備した弁当爆弾を持って日本人に偽
装して場内に入った。4月29日。ユン・ボンギルの手を離れた爆弾はあっという間に壇上の要人ら
をこなごなに壊した。万人が注目する公開の席上で日本を懲らしめたのだ。現場で逮捕されたユ
ン・ボンギルの写真一枚が朝日新聞に大きくのせられた。
遺族らの一部が「ユン義士だ」と証言しているが、写真の人物が着ている洋服と表情などを研究し
た一部の学者は日本憲兵と朝日新聞が操作した写真だと主張する。まず引きずられて行く人物
が偉業を成し遂げた巨人の表情ではなく、卑怯性をたたえていたということだ。堂々としたユン義
士が卑怯なことではない、というのは当然の論理だ。この問題は専門機関で当時の記録などを詳
細に検討し、もう二度と異論がでないように論争に終わらせなければならない。こういう乱説が続く
のはユン義士に対する不敬だ。
とにかくユン・ボンギルは日本に護送されて死刑宣告を受け1932年12月19日午前7時27分石
川県金沢市三小牛陸軍作業場内の西北の谷間で銃殺刑が執行される。「処刑はすでに覚悟した。
話す言葉はない」という少し短い一言を残して二十五才の若き巨人は逝った。彼の偉大な愛国心
を永遠に民族の胸中に植えたまま、近隣の野田山共同墓地に密葬された。ユン義士の墓を隠し
たのは独立運動の聖地になるのが恐ろしかったからだ。オサマ・ビンラディンを射殺した米軍の主
張も同じ論理だ。
1946年光復後、ユン義士遺骸奉還団は孝昌公園にむかえた。14年ぶりに祖国に埋められたのだ。
しかし死刑執行場所は探せなかった。ただし、日本軍が残した現場写真が一枚残っている。憲兵、
銃を撃った軍人二人、ユン義士の姿も見える。谷間の位置と朝の日差しが眩しく映る。処刑関連
秘密記録の満密大日記には処刑場の図面の方位と写真にあらわれた光の方向などが詳細に記
録されていて殉国現場を探すのに多いに役に立った。北緯36度31分30.14秒、東経136度40
分17.91秒が現場の正確な位置だ。殉国79年ぶりだ。
遅まきながら処刑現場を把握した記念事業会と在日同胞などは喜びを隠せない。「もう聖域化を
急ぐ時になった」と口をそろえる。来年はユン・ボンギル義士殉国80周年だ。日本軍によって暗葬
された最初の墓地と処刑現場は約3キロ離れているが今は二カ所を結ぶ聖域化作業がさらに緊要だ。
金沢市を訪問する韓国人が毎年30万程度と多い。処刑現場などに記念館をたてて愛国巡礼地
にすれば歴史を悟る体験になり、迫害を加えた日本人たちにも日帝の残虐性をもう一度悟らせる
契機にならないだろうか。もちろん日本側の協力を求めることも至急だ。祖国のために命を投げた
数多くの愛国者を記念してその業績を賛えることは子孫の義務だ。
チョン・デヨル客員論説委員
ソース：e中央ニュース(韓国語) 尹奉吉（ユン・ボンギル）義士殉国現場が発見された
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