11/05/02 19:45:55.06
半導体用機械設備を輸出する釜山市のA社は、今年第1四半期の売上高が
前年同期を30億ウォン(約2億3000万円)下回った。ウォンの対ドルレートが
昨年第1四半期の1ドル=1144ウォンから今年第1四半期には同1120ウォンに
上昇したことに加え、最近になって1060ウォンまで一段高となったためだ。
A社関係者は「1100ウォンを超えるウォン高では損失が出る。最近製品単価を
約2%引き上げたところ、すぐに売り上げが減少した」と話した。昨年通年で
2000億ウォン(約152億円)の売り上げがあった同社は、ウォン相場が現在の
水準で推移する場合、年間150億ウォン(約11億 4000万円)程度の減収を見込んでいる。
衣類輸出のB社は、今年2月に米流通大手向けの大規模な納品契約を結んだが、
むしろ損失を出す結果となった。B社関係者は「契約規模が大きく、単価を
最大限抑えたが、ウォンがあまりに上昇し、20億ウォン(約1億 5000万円)
以上の損失が出た」と嘆いた。B社は契約破棄のレッテルを張られないため、
泣く泣く契約を履行しているという。B社は「社内には為替ヘッジを行う人材は
おらず、銀行の一任するのも不安なので、原価と経費の節減だけが頼りだ」と説明した。
このように、韓国の輸出企業が今、ウォン高の直撃を受けている。輸出先の
多角化や為替ヘッジ戦略でウォン高に対抗しているものの、中小企業は為す術が
ないまま、損失を受けている。輸出企業3社のうち1社は、既にウォン高で限界
状況に達しているとの調査結果もまとまった。
大韓商工会議所は1日、輸出・内需企業509社を対象に行った調査結果を発表し、
「ウォン相場が輸出マージン(利ざや)を確保するのが困難なほど上昇した」
との回答は全体の35.6%を占めたことが分かった。大韓商議は「ウォン相場が
10ウォン上昇するごとに、輸出企業の輸出額と営業利益はそれぞれ1.62%、
1.28%減少することが分かった」と説明した。
輸出を行っても利益が出なくなる為替水準としては、1080ウォン以上1100
ウォン未満との回答が20.7%で最も多く、1000ウォン以上 1020ウォン未満が
20.2%、1040ウォン以上1060ウォン未満が18.8%、1000ウォン未満が14.4%の
順だった。
内需企業の場合は、58.1%が最近のウォン高で「特に影響を受けていない」
と回答し、19.8%は「やや恩恵を受けている」と答えた。そして、ウォン相場が
10%上昇すると、内需企業は売上高が0.03%、営業利益が1.06%それぞれ増加
するとの回答があった。
辛殷珍(シン・ウンジン)記者 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
ウォン高:輸出企業3社に1社が「限界状況」
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