11/04/28 08:50:05.20
「音楽ソフトが売れない」とされる一方で、AKB48やK-POPのセールスが好調なのはなぜ? 丸山茂雄氏が音楽ビジネスの変化を
読み解く。
CDに生写真やイベント入場券などの特典を封入して複数買いに導く、いわゆる「AKB商法」が成功し、アニソンのイベントでは
物販会場が大きなスペースを占める。さらに、マスコミの手を借りずにライブチケットを完売させるK-POPグループが登場するなど、
今、音楽業界では商品の売れ方に大きな変化が生じている。こうした現状を、音楽業界のスペシャリストはどう分析するのか。
ソニー・ミュージックで音楽産業を引っ張り、現在は247Musicで音楽のネット配信を積極展開。K-POP業界にもアドバイスを
送っている丸山茂雄氏に話を聞いた。
(中略)
<丸山氏>もう一つ、著作権管理の限界以外に、分かったことがある。「音楽だけの時代は過ぎ去った」ということです。ここ数年、
アニメのイベントがとても盛り上がっていますよね? アニソンの歌手がステージで歌うのをファンは楽しむわけですが、アニメ業界では
これを「コンサート」とは呼ばない。「イベント」だそうです。見に行ったら、朝早くからグッズを買うためにファンが行列を作っている。
関係者に聞くと、イベントの主目的はコンサートではなくて、物販だとのこと。その辺りを、きちんと割り切っているんですね。
■音楽だけの時代は終わった
つまり、コンサートの演出に力を入れて、チケットを売って、という僕らが意味する“音楽”から、別のジャンルに時代が移ったように
思えます。この前、アミューズの大里洋吉 最高顧問と、東方神起や少女時代といったS.M.エンタテインメント所属アーティストが
総出演するイベント「SMタウンライブ」を見ていました。大里さんが「バンドはどこ?」って聞くので、「いないよ」って教えてあげました(笑)。
驚くのは当然ですが、だから3時間で60曲もの歌を披露できるわけです。国立代々木競技場第一体育館が満員だったから、
1万2000人くらい入っていた。それをバンドなしでやっちゃう。僕からすれば、バンドを入れることが、音楽的にきちんとしているという考え
です。
歴史的に見ても、大里さんのアミューズがここまで成功したのはサザンオールスターズのおかげですよね。エピック(現エピックレコード)
がここまで来たのは、シャネルズのおかげです。両グループともヤマハが主催するアマチュアバンドコンテスト「イーストウェスト」出身。
ヤマハが楽器メーカーとして「子どもにもっと音楽を」と楽器を売り込んだからこそ、音楽が日本に定着した。一方、中国にも韓国にも
楽器メーカーはなかった。だから中国でも韓国でもメジャーなバンドが少ない。それは極端にいうと“音楽がない”ということです。
その代わり、彼らにはコンピュータという武器があります。今、アジアでは楽器を使わずに曲を作っているわけです。ある意味、
K-POPは、僕たちがバンドを組み、みんなで一から作詞作曲してきた音楽とは違うジャンルのもの。基本的には、映像が9割で、
それを生かすために斬新な音が1割ついているという新しいエンタテインメントです。K-POPは詞なんて二の次でしょう(笑)?
でもそれが日本の若い子にも受けている。センスは抜群だものね。
これは別にK-POPに限ったことではないですよ。日本にも打ち込みだけで曲を作る人間がたくさんいるし、今、嵐が売れ、AKB48が
売れ、K-POPが売れているのは、絵を生かすために音がついている、新時代の新しい形のソフトが求められているということを証明
しているだけなんです。
でもレコード会社は“音楽”をやろうとしている。僕も音楽は大好きだけど、“音楽という季節”は終わったと思います。音楽を否定は
しません。ただ、それだけだと、レコード会社は1000人規模で社員を雇っていたら続かない。
(以下略。抜粋です。全文はソース元でどうぞ)
ソース(日経トレンディネット) URLリンク(trendy.nikkeibp.co.jp)