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【北京時事】金融危機を克服し、世界経済をけん引してきた中国経済が難しい局面を迎えている。景気の先行きに不透明感が漂う一方、
インフレ圧力は増大。東日本大震災や中東の混乱など国外の不安要因も加わり、中国政府は「さまざまな困難やリスクに対処する準備を
しなければならない」（温家宝首相）と警戒を強めている。
最も懸念されるのは、３月の消費者物価上昇率が前年同月比５．４％に達したインフレ加速だ。農産品価格の上昇は天候回復で落ち
着きを取り戻してきたが、原材料価格や人件費の高騰が消費者物価に波及。日本製品の調達難や復興需要が、工業製品や原材料
価格を押し上げるとの見方も根強く、温首相は「あらゆる手を尽くして物価安定を保つ」方針を表明している。
一方で、消費は鈍化傾向にある。住宅取引の減少を背景に家電や家具の販売が減速。昨年まで消費をけん引した自動車販売は、
優遇策の打ち切りで鈍化が鮮明だ。「今年の増加率は、見込みを下回る公算が大きい」（自動車工業協会の董揚事務局長）との声も
聞かれる。インフレで消費意欲がそがれているとの指摘もある。
欧米の景気は底堅く、輸出は回復基調だが、日本の震災が影を投げ掛ける。中国の貿易構造は原料や資材を輸入し、製品を輸出する
加工貿易の割合が高い。特に日本への依存度は高く、「日本製部品・素材の調達が滞り、今後、輸出の半分以上を占める機械電気
製品の輸出が落ち込む恐れがある」（国際金融筋）との懸念も浮上している。
jiji.com: 2011/04/15-15:26
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