11/03/30 13:50:13.37
【コラム】日本人の苦痛を忘れるな
死と隣り合わせで住むということは、本当につらいことだろう。今日本に住むのはそういう
ことだ。外国人は逃げる先もあろうが、日本人には行く先はない。
一瞬で死ぬのならばまだましだ。津波はそういうケースだろう。しかし、いつやって来るか
分からない死、あるいは目前に迫っている死に向かって、一歩一歩進むことほど怖いことは
ないはずだ。
東日本巨大地震と津波で最も大きな被害を受けた宮城県、岩手県の沖では28日午前7時24分
ごろ、再びマグニチュード6.5の余震が起きた。11 日の本震から数えて何回目か分からない。
NHKのニュースは、地震の揺れをおびえた少女が、避難所で兄の懐にすがり震える姿や「怖い、
怖い」を連発する高齢者の姿をとらえていた。いつやって来るともしれない死に対する恐怖
というのはそういうものだろう。津波が起きるまでは、地名さえ知らなかった気仙沼、陸前
高田、南三陸で生き延びた人々は、3月11日午後2時46分を永遠に忘れることはないだろう。
福島の原発で死闘を繰り広げている作業員は、目の前で待ち構える死に向かって進まなけ
ればならないケースだ。彼らに「決死隊」の壮厳さを求めるのは本当に酷なことだ。彼らは
ただでさえ被曝の恐怖に震え、文字通りに死闘を繰り広げている最中だ。仕事を失わない
ため、家族を食べさせるため、危険を顧みない人もいるという。
米ニューヨーク・タイムズは今月15日、「事故原発を守る50人の労働者」という記事で
「英雄的な決死隊ストーリー」を描いた。その後、決死隊の数は 800人とも、200人とも
言われた。実際に何人が本当の決死隊だったかは分からない。ただ、特に目立たず、何らかの
名分で身をささげた決死隊でもなく、安全規則を徹底して守って行動せざるを得ないとしても、
彼らは決して役に立たない人々ではない。
今回の災難は、ある日本人は言っていた通り、地震、津波、原発事故が重なった「三重の
災難」だ。数百年に一度の災難といってよいだろう。そして、その災難はまだ始まった
ばかりだ。今日本の太平洋沿岸には、家族と故郷をすべて失い、目の前の現実に震える人が
数十万人もいる。さらに大きな地震が来ないか、原発が爆発したりしないかという恐怖に
震える人は数百万人、数千万人いる。
日本政府は30日、予定通りに中学校の歴史、地理、公民の教科書の検定結果を発表する。
独島(日本名・竹島)は日本領だという内容が強化される見通しだ。せっかくの韓日友好
ムードに冷や水を浴びせるのは明らかだ。しかし、それによって、死の恐怖に苦しむ日本の
平凡な人々に対する温かい心まで捨ててはならない。ソウルの日本大使館前で募金活動を
続けている従軍慰安婦のおばあさんの心こそ、国の品格を高めるという事実を忘れてほしくない。
東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員
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