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■倭語と中国語の関係とは
中国語の中に、倭語の残影が見える。
中国語で、夜をイェ(YE)と発音するが、 古代 日本語(倭語)では、夜(よる)をヨ(YO)とか、ヤ(YA)と発音する。
音が似ている。
中国語では泥をニィ(NI)と発音するが、古代日本語では土をニ(NI)と言った。
また、中国語では気をチィ(CHI)と発音するが、古代日本語では霊をチ(CHI)と言った。
中国語では土(土地の意味もある)をトゥ(TU)と発音するが、古代日本語では処をト(TO)と言った。
また、中国語では「良い」という意味の『好』の字をハオ(HAO)と発音するが、古代日本語では「優れている」
「他よりも立派だ」「特別に良い」という意味の『秀』の字をホ(HO)と言った。
また、中国語では自分のことを我(ワー)と言うが、古代倭人は自分のことを「ワー」と言った。
倭人の「倭」という名前は、彼らが自分を「ワー」と言ったからだという説もある。
これらの言葉の音と意味の類似は、もちろん偶然ではない。中国語の中に大陸南部や山東半島で使われていた
倭語の単語が残っているのである。
中国語の気(チィ)と古代日本語の霊(チ)は、漢字は異なるが意味は近い。古代シナの倭人が語った気(チィ)を、
古代日本人は霊(チ)として理解したのだ。
もちろん、中国語と日本語はまったく系統が異なる言語である。中国語は北方遊牧民の言葉である漢語が発展したものであり、
日本語は、古代シナ大陸南部で話されていた倭語が発展した言語である。
しかし、4世紀から10世紀にかけて、シナ北部の漢人・鮮卑勢力が南下して、大陸南部の倭人勢力を支配下に置いた。
そして北方遊牧民と南方農耕民=倭人(呉人)が混血することで、現在の中国人の原型となる民族が形成されたわけであるが、
その過程において、倭人が話していた倭語の単語の一部も漢語の中に吸収されていき、それにより中国語の基本型が生まれたのだ。
そのため、漢語と倭語は異なる言語ではあるけれども、中国語の中に古代倭語の言葉がわずかに残っているのだ。