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ソウル支局長・黒田勝弘 新幹線は日本発の“文明”
2011.3.8 02:39
日本で九州新幹線が完成し鹿児島から青森までつながった。先日、新幹線が通る九州3県の
鹿児島、熊本、福岡の3市長が一緒になり、観光PRのため韓国を訪れていた。
日本の高速鉄道“シンカンセン”は周知のように1964年、東京オリンピック開催に合わせ
完成した。この年、新聞記者になったぼくは、新米記者のトレーニングで開業を前に新幹線の
試乗記を書かされた。以来、47年。ぼくの記者生活と新幹線は同じ年数がたったことになる。
日本で新幹線という世界初の高速鉄道のスタートを経験したぼくにとって、韓国の高速鉄道
KTX(コリア・トレイン・エクスプレスの略)は気になる存在だ。
KTXはフランス高速鉄道TGVを導入し2004年に開業した。建設過程で路線の変更や
手抜き工事など曲折が多く、完成も遅れた。当初は在来線を利用し、本来の専用路線が完成
したのは昨年のことだ。
最近、ソウル近郊で起きた脱線事故を機に安全性が問題になっている。今回はトンネル内での
6両脱線という、あわやの事故だったが、幸い死傷者はなかった。しかし直後に走行中の立ち
往生事故も発生している。そこで「どうもKTXは故障が多いらしい」となった。
批判に対し鉄道庁首脳が「小さな故障で騒ぐな」と言ったものだから、鉄道当局の安全軽視(?)に
不満と批判が集まっている。
これでは韓国にとって“海外輸出”どころではないが、日本の新幹線ではなくフランスの
TGVを導入したKTXだけに、日本人の心理としてはどこか「それみたことか…」といいたい
ところがある。
もちろん新幹線だったとしても、そうした事故や故障はなかったとはいえない。逆に、不都合が
起きると何を言われたかわからない。
事実、韓国高速鉄道が国際入札になった当時、日本側にはどこかそうした腰の引けた雰囲気が
あった。日本が受注し新幹線導入となった場合、「反日感情を刺激するからまずい」「事故が
起きれば日本は袋叩(だた)きになる」というわけだ。今から20年ほど前のことだが、だから
日本の世論も政府も新幹線の韓国輸出にはそれほど盛り上がりはなかった。
しかし韓国の鉄道は歴史的には日本の鉄道として成長した。技術、運営、管理から安全対策
まであらゆる面が日本流の“鉄道思想”になっていた。KTXへのTGV導入は、その100年に
わたる韓国鉄道史に突然、フランスが入ってきたのだ。戸惑いは当然あったに違いない。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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