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嘗糞(しょうふん、)とは、人間の糞を舐めて、その味が苦ければその人物の体調は良くなっており、
甘ければ体調が悪化していると判断する、朝鮮半島の李氏朝鮮時代まで行われた民間療法。
朝鮮儒教では孝行の一種とされている。
朝鮮での嘗糞の実際
朝鮮では、6年以上父母の糞を嘗めつづけ看病し病気を治した孝行息子の話などの記録があり、
親に対する最高の孝行の一つとされた。『朝鮮医籍考』によると、後に娯楽化し、
人の糞を舐めてその味で誰の糞であるか当てる遊びが流行した。
また、朝鮮王の中宗は、解熱剤として人糞を水で溶いたものを飲んでいたという(東亜日報 2005年8月22日)。
20世紀に入っても人間の大便を民間医術に使用する例があり、『最近朝鮮事情』には重病人に大便を食わ
せる例が載せられている。
また『朝鮮風俗集』には人中黄(冬期に竹筒に人糞と甘草を交ぜ地中に埋め、夏期に取り出し乾燥させて
粉末にしたもの)と言う民間薬が載っている。
嘗糞は「お世辞の言葉」としても使われ、お世辞の度が過ぎる輩の事を「嘗糞之徒」と言う。
参考文献
今村鞆『朝鮮風俗集』斯道舘 1914年、国書刊行会 1975年
荒川五郎『最近朝鮮事情』清水書店 1906年9月 三木栄『朝鮮医籍考』1932年