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ひとつの国や地域の1人当たりGDPが3000ドルを超えると、長期低迷期に入りがちで、
1人当たりGDP1万1000ドルが大きな壁となる。現在、中国は中所得国が陥りがちな
「罠(わな)」に直面しているという。環球網が伝えた。
英紙フィナンシャル・タイムズは、「中国は次の30年で、いかに中所得国が陥りがちな
罠を回避するかが、大きな問題だ」と指摘し、「中国が高所得国の壁を突破するには、経済
成長の方式を変える必要があり、そのためには10年はかかるだろう」と報じた。
中国は本当に「中所得国が陥りがちな罠」におちいるだろうか。専門家の間でも意見が
分かれているが、対外経済貿易大学国際経済研究所の藍慶新博士によれば、「今後5年以内は、
そのリスクが高い」と指摘する。経済成長の過程でインフレが進んでおり、政府がインフレ
抑制策をとれば、同時に経済成長まで抑えられてしまうため、難しいかじ取りが要求される。
また、教育、就労、保険、医療の問題があり、労働者の所得と経済成長の速度が合っておらず、
結果として貧富の差が拡大しており、これは経済成長を続けていく上での障害となりうると
指摘した。
一方、世界銀行東アジア大洋州地域チーフエコノミストのホミ・カラス氏は、中国は
経済成長に関して長期的展望があり、輸出依存から内需拡大へ変換させる経済戦略の面で
積極的なので、うまく危機を回避できるとの見方を示した。しかし、経済戦略の変換はそう
簡単にはいかないとし、「課題はいかにイノベーションを生み出すか」だと指摘した。
では、どうすれば中所得国が陥りがちな罠を避け、イノベーションを生み出せるのか。
ホミ・カラス氏は「特色ある大学、知的財産権の保護、新たな企業への融資システムの整備、
及び市場の開放と競争力を強化することだ」と主張。また、収入の格差が、中所得国が
陥りがちな罠の原因となっているため、経済発展方式の変換と経済システムの調整をさらに進め、
内需拡大を柱にして、投資と貿易の3本柱で経済成長を引っ張っていく必要があると分析した。
(編集担当:畠山栄)
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