11/03/05 23:11:21.02
【北京=川越一】中国の温家宝首相は5日、全国人民代表大会(全人代=国会)で行った
政府活動報告の中で、少数民族発展事業5カ年計画の制定、実施を表明した。返す刀で
民族問題に直結する宗教の管理を進めることも宣言。
民族独立を求めるイスラム教徒のウイグル族やチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世
を信奉するチベット族の動向を注視する姿勢が鮮明だ。
温首相は「共産党の宗教事務に関する基本方針を全面的に貫徹し、宗教事務管理条例を
掘り下げて実行に移す」と述べた。
2005年3月に施行された同条例は、第1条で宗教・信仰の自由を保証しているが、随所に
当局による宗教の管理を可能にする条文がちりばめられている。
第3条では「宗教団体や信者は憲法、法律、法規、規則を順守し、国家統一、民族団結、
社会の安定を維持しなけばならない。
いかなる組織、個人も宗教を社会秩序の破壊に利用してはならない」などと規定している。
以下、外国勢力の影響を受けることの禁止、社会の安定に影響を与えるような事件の防止
などが定められている。
08年3月に起きたチベット騒乱から、まもなく3年を迎える。チュニジアの「ジャスミン革命」に
刺激された民主化集会の呼びかけが続く中、再び民族問題が絡んだ衝突が発生し、民主化
を求める動きと結びついた場合、「国の長期的な安定」(温首相)、すなわち共産党による
一党独裁体制を揺るがしかねない。
温首相は「中華民族の不撓不屈(ふとうふくつ)、自ら向上してやまない偉大な精神は打ち
負かされることのない力ではなかろうか」と各民族の団結を呼びかけた。
民族団結を御旗に掲げ、条例を拡大解釈すれば、いかなる“宗教弾圧”も可能となる。
産経新聞
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