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★中国、成長目標７％に 新５カ年計画 景気過熱防ぐ
【北京＝高橋哲史】中国の温家宝首相は27日、今年から始まる第12次５カ年計画について、
国内総生産（ＧＤＰ）の成長率目標を年平均７％に設定したことを明らかにした。
昨年終了した第11次５カ年計画の目標（7.5％）より低くし、経済の過熱を防いで安定成長を目指す。
個人所得税の課税最低限を引き上げる方針も表明し、拡大する貧富の差の是正に全力を挙げる姿勢を示した。
３月５日から始まる全国人民代表大会（全人代、国会に相当）を前に実施した
インターネット上での国民対話で明らかにした。温首相は５カ年計画の成長率目標を引き下げた理由について
「政府の仕事の重点を、成長の質と効率を高め国民生活の水準を引き上げることに置かなければならない
からだ」と語った。
2006～10年の第11次５か年計画では成長率目標を7.5％に設定したが、
実際は９～14％台の高い成長が続いた。地方政府が中央政府の指示に従わずに
高成長を競い合ったことが背景にある。温首相は「こうしたやり方は生産能力の過剰を生み、
環境や資源への圧力を高め、経済発展は持続しない」と述べ、地方政府に自制を求めていく考えを強調した。
中国政府はすでに11年の成長率目標を８％に設定する方針を示している。
実際は９％以上の高成長を予想する声が多く、第12次５カ年計画で設定する
年平均７％の目標は「参考指標」の意味合いが濃い。前の５カ年計画より引き下げることで、
地方政府に「成長競争」を改めるよう促す狙いも透けてみえる。
温首相は個人所得税の課税最低限を現在の月2000元（約２万5000円）から引き上げる方針も示した。
低所得層から税の徴収を減らし、実質的な所得を底上げする。インフレ対策を最優先する考えも改めて表明。
中東諸国で物価高への不満から反政府デモが相次いでいることを意識したとみられる。
ソース 日本経済新聞 電子版 2011/2/27 20:00
URLﾘﾝｸ(www.nikkei.com)