【論説】ロナルド・ドーア氏…「北方領土を諦めるのも賢明な道」「国際裁判では日本が負ける確率が高い。原因を作ったのは米国」[2/23]at NEWS4PLUS
【論説】ロナルド・ドーア氏…「北方領土を諦めるのも賢明な道」「国際裁判では日本が負ける確率が高い。原因を作ったのは米国」[2/23] - 暇つぶし2ch1:諸君、私はニュースが好きだφφ ★
11/02/23 23:03:28.03
 時々日本の外務省は、一度採用した外交路線を放棄できずに成り行きに任せ、しまいにはにっちもさっちもいかなくなってしまう
ことがある。北方領土問題をめぐる対ロ関係が正にその典型であろう。

 日本政府はこれまで、旧総務庁の前に「北方領土が帰る日・平和の日」という大きな石碑を建てたり、国後も択捉もわれわれの
島だという国民感情に訴えてきた。

 これに対しロシアは、日本の主権を認めるような考えは基本的にないが、勃興日本の経済力や、少しずつ増大してきた外交力に
敬意を表し、日本の国民感情の手前もあって、日本のクレームには一応、真面目に対応してきた。ところが、日本の経済力・外交力
の衰退も1つの原因だろうが、最近ではメドベージェフ大統領が国後島入りして以降、ロシア閣僚の訪問が相次ぎ、軍事的な防衛
強化も発表するなど、「日本が主張する『主権の問題』は毛頭ない。交渉する意思はもうない」と、きっぱり告げた格好だ。

 二国間で日本の主張を唱え続けても、日ロ摩擦の時代が永遠に続くだけだろう。極論になるが、諦めるのも賢明な道で、尊厳ある
主権国として面目を失わない諦め方を探さなければならない。

 そういう道を国際司法裁判所が与えてくれそうだ。ロシアの北方四島占領は不当だと、日本が訴えればいい。もちろん、ロシアに
根回しし、訴えられたら応じるとの確約を取り付けることが前提となる。それに、優秀な外交官の長い努力が必要だろう。
小泉純一郎元首相の北朝鮮訪問の準備工作として、田中均氏が北京で交渉し、拉致の事実を認める約束を取ったようにだ。

 仮に裁判になった場合、日本が負ける可能性が高いというのが、国際法の専門家の意見だ。理由は、サンフランシスコ条約で
日本ははっきりと主権を放棄してしまったからだ。ただ、日本は裁判に負けてもそのままいれば、世界の目にはロシアにいじめられた国
ではなく、平和的国際関係の法的秩序構築に貢献した国として映る。漁業権など実質的な利益を守るのも、逆にやりやすくなる
かもしれない。

 日本の最近の北方領土問題に関する主張は、歴史的事実に訴えないのでおかしかった。明治8年(1875年)の樺太千島交換条約で、
樺太はロシア、安政条約で既に認められた国後、択捉二島のほかに、それ以北の千島列島も日本の所属と決まった。日露戦争の戦果
として日本領土となったのは樺太の半分だけである。

 戦争が終わろうとするときのヤルタ会議で、連合国が「日独には帝国主義的侵略によって得た領土を返還させよ」という原則を決めたが、
千島列島がそうして得た領土ではないことが当時は分かっていなかった。その間違いはダレス国務長官によってサンフランシスコ条約に
持ち込まれ、吉田茂首相が苦情を言ったが、ダレス長官は「ロシアとの関係が微妙なときにうるさいことを言うな」と抑えてしまった。さらに、
日ロ両国の親睦を邪魔しようと横槍を入れ、「沖縄を返すのも危うくなるぞ」と脅した。

 その後、日本は「明治8年の条約がある。国後、択捉は戦果ではない。ヤルタ会議での米国の誤解だった」などの論法を展開せず、
条約における「千島列島」の定義など、些細な法文解釈に基づいた論法しか続けてこなかったからだ。

 いずれにせよ、これを機会に60年間の日ロ関係の病根を国際司法裁判所が取り除いてくれれば、サッパリするだろう。

ソース(東京新聞 2/20付 3面 「時代を読む」 英ロンドン大学政治経済学院名誉客員 ロナルド・ドーア氏)


レスを読む
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch